本日時点でボストン・レッドソックス=BOSはボルチモア・オリオールズとならび20勝13敗で首位タイにいる。最下位に沈んだ昨年から、復活した。
リーグ打率3位、相変わらずの強力打線ではあるが、投手力もERA8位、昨年の12位から回復している。

今年から采配をふるうファレル新監督は、少し前までBOSの投手コーチを務めていた。狭くて二塁打が多いというフェンウェイパークの特性をよく知り、巧みな投手起用で信頼を勝ち得ていたが、その手腕は健在のようだ。
特に救援投手の使い方が素晴らしい。
投手の個人別成績

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17試合登板の田澤を筆頭に、使える救援投手が6人いる。バクホルツ、デンプスター、レスターという信頼できる先発投手のあとは、これら6人の救援投手が確実にリードを維持して勝ちに結びつけている。勝ちパターンが決まっているのだ。
ファレル監督は、各投手に使い方に明確な方針を持っている。
今季の投手起用を試合ごとに見てみよう。えんじ色の上原と赤の田澤に注目だ。投手の数字は自責点。

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6回以上投げる投手が多いことがわかる。
開幕当初、上原は先発投手のすぐ後を投げることが多かった。投手が替わったことで相手打線が勢いづくのを抑え込む役割を果たしていたのだ。そのあとに田澤、さらにベイリー、ハンラハンというパターンだ。ミラーはシチュエーショナル(ワンポイント)だ。

しかし、当初の構想通りいかないのが投手起用だ。ハンラハンが故障し、ベイリーが抑えに回ると田澤が先に投げることが多くなった。
若い田澤は長い回数を投げることも可能だ。カードが1枚足りなくなったことで順番が入れ替わったのだ。
ロングリリーフで先発することもあったモーテンセンも重要な場面で使われるようになる。またウィルソンも使うよういなった。

上原はセットアッパーとしてきっちり1回を投げることが多い。ファレル監督は、なるべく上原のポジションを固定したいと考えているようだ。38歳という年齢もあり、無理をさせたくないと考えているのだろう。
そのかわりに田澤にはシチュエーショナルあり、セットアッパーあり、いろいろな役割をさせてきた。
ハンラハン、ベイリーが使えなくなると田澤をクローザーで起用することにした。上原でなかった理由は明らかだ。

ファレルは故障したり、不調になったりする投手が多い中で、上原のポジションは堅持したいと考えているのだ。1回をきっちりと抑える上原を重要視すればこその固定だと思う。


昨日、田澤は最後に登板して失点したが、これは間隔があきすぎないようにするための調整登板だろう。
本格的なクローザーとしての起用は今日以降になるはずだ。

今後、田澤にはハードな登板が増えるだろう。一流のクローザーになるためには必要なことだ。できればシーズンを全うしてほしい。そして上原は今のままセットアッパーとして好成績を上げてほしい。
上原がクローザーになるような事態はBOSにとって望ましくないのだ。