帰国の旅は、「たられば」と悔いの残るものとなった。ミランのアドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役は、あのカウンターの場面を何度も見直している。チャンスを失敗し、すぐに失点。同代表取締役は、「(エムバイェ・)ニアンがゴールを決めていたら、試合は終わっていた」と考えている。

だが、本当にそうなのだろうか? マッシミリアーノ・アッレグリ監督は、相手が怪物級のチームだったことを認めつつ、「センチメートルの問題」とわずかな差だったと主張した。破壊的なリオネル・メッシと、そのほかの素晴らしかったバルセロナの選手たちのパフォーマンスを分析する限り、それは誇張というものだろう。

ガッリアーニ代表取締役は「ニアンのシュートがポストを叩いたとき、私はすべてを理解した。こういう夜は、そういう兆しがとても明確なんだ。バルバラ・ベルルスコーニにすぐ言ったよ。これで2−0にされる恐れがある、とね。サッカーとはこういうものだ。真のセンターフォワードがいたら…」と続けた。

彼の発言を誰がとがめられるだろう? 結局のところ、あのようなゴールは、外すよりも決める方が簡単だったのだ。だがそれを、突然、9万人の観客の中に放り込まれた18歳の選手に言えるだろうか。

ガッリアーニ代表取締役は「1年でもバルセロナを避けられたらね。シャルケとか?」とため息をついた。それから、GKガブリエウと話していたFWボージャン・クルキッチに「よかったぞ! 良いクロスだった。ああ、(ジャンパオロ・)パッツィーニがいればなあ」と声を掛けた。ボージャンのクロスを受けたのは、ロビーニョだった。

ニアンのシュートがポストを叩いたとき、パッツィーニは何を思っただろうか。自分がビクトール・バルデスと1対1だったら…と想像しただろう。フェイクを入れて、冷静にゴールへと流し込む…そしてチームメートたちに駆け寄って、人差し指と中指を目に向けて…それともチームメートたちと飛び跳ねて…残念ながら、実現不可能なシーンとなった。

希望の旅は、後悔の残る旅となって終わった。飛行機でニアンの目を見れば、彼がいかに落胆しているかがすぐに分かる。だが近いうちに、逃したチャンスがいかに大きかったかを理解するだろう。だから、再び地に足をつけ、監督による叱咤から学び、パレルモとのリーグ戦に集中しなければいけない。歩みを続け、すぐにチャンピオンズリーグの舞台に戻るために。できれば、素晴らしい巻き返しを経て、もはやわずか勝ち点2差となった2位の座を狙うために。それは予選を避けるための理想的な処方箋だ。

ガッリアーニ代表取締役は「絶対に、昨季のリーグ戦でのフィオレンティーナ戦を繰り返してはいけない。同じようにバルセロナから戻ってきた次の試合だった」と警告している。フィオレンティーナ戦で、ミランは1−2と敗れた。そして、ユヴェントスがスクデットへと向かうことになったのである。