深刻な空気汚染が続いている中国だが、猪瀬東京都知事が北京市に対し、都が持つ技術やノウハウを提供する考えがあることを伝えた。中国メディアの環球時報が中国版ツイッター・微博に設けた自社アカウントで報じた。

 環球時報は微博アカウントで、共同通信のニュースを引用し、東京都は友好都市である北京市に対し、環境改善の技術援助をする用意があるとの親書を送ったと伝えたところ、中国人ネットユーザーが賛否両論のコメントとともにリツイートした。

 賛成の意見には「北京は積極的に協力して謝意を表すべきだ」、「小日本、どうもありがとう」、「発電所の脱硫装置の技術は、多くが日本から来ている。環境保護技術に日本の助けは不可欠だ」などの意見があった。

 しかし、全体的には反対意見の方が多く、「日本なんて信じられるか? 」、「中国人よ、騙されてはいけない! 」と注意を呼びかけるコメントや、「まずは日本の放射能汚染をコントロールしてから言えよ」、「まずは放射能漏れをどうにかしろ」など、日本にも問題があると指摘するコメントもあった。

 また、技術移転に伴う費用を心配するユーザーもいて「低価格または無料ならすばらしい。でも高く売りつけるなら日本を蔑(さげす)むね」という主張が寄せられた。さらに自己中心的なコメントもあり、「技術が入ってくるのはいいが、人は入ってくるな」という主張があった。

 だが、大気汚染の問題は深刻であることを自覚したユーザーもいて、「われわれはこの機会によく反省すべきだ。環境を保護し、できるだけ改善しないと。ここは俺たちの住むところなんだぜ。政府の対策に期待したい」というコメントもあった。(編集担当:畠山栄)