ミランは昨シーズン、第37戦でインテルとのダービーを落としてスクデット(セリエA優勝)を逃した。しかし、ミランの医務室はどうなっていたか? 今シーズンの第2節まで考慮して、ミランはのべ319選手が公式戦を欠場している。ベンチなしで、29チームがつくれる数だ。ミランは昨シーズンの38試合でのべ307選手が欠場した。1試合平均8.07人だ。レオナルド体制のときから不安はあったが、マッシミリアーノ・アッレグリ監督になってから、その数は増えている。

イタリア王者になったユヴェントスは、リーグ戦を通しての欠場者がのべ44人。ライバルのミランは307人だ。両チームは公式戦の数が8つ違う(ユヴェントスはリーグ戦とコッパ・イタリアで43試合、ミランはリーグ戦とコッパ・イタリアとチャンピオンズリーグで51試合)。しかし、両チームの違いは明白ではないだろうか。

準備の段階で、基本的な違いがある。アントニオ・コンテ監督は、過去と現在を融合させている。イタリア王者は60〜75分におよぶ有酸素運動で土台をつくる。筋力面はマシンジムを使ってエキセントリックなメニューをしている。ワークテーブルは、フリオ・トウス氏が開発したバルセロナ式のものだ。

ミランは異なる方法である。スタッフの交代はあったが、ミランラボの基本的な方法は変わっていない。マシンジムにあるものは、クラシックなものだ。

ほかのクラブを見ても、ミランの数字が際立っていることが分かる。ミランの次はラツィオだが、のべ215人(2011−12シーズンに208人、今季2試合で7人)の離脱だ。3番手のインテルはのべ193人である。

ただ、インテルの場合、今シーズンは危険があるかもしれない。ペスカーラ戦とローマ戦で、のべ14人が負傷により欠場している。インテルは今シーズン、すでにヨーロッパリーグ予選4試合を戦っており、公式戦6試合を終えている影響もあるだろう。

FWアレシャンドレ・パトについては、2010年から今日までに15回のケガがあった。最初は右ももの肉離れ。最近では、8月23日の練習でMFケヴィン・プリンス・ボアテングと競り合ったときだ。「左内転筋の負傷」。ミランは公式声明でそう発表している。

同じような運命がイングランドのマンチェスター・ユナイテッドにも起きた。サー・アレックス・ファーガソン監督率いるチームは、最も負傷者に悩まされた。マンUはシーズンをトータルして、のべ1681日選手を欠いた。ロベルト・マンチーニのマンCは、のべ186日で、プレミアリーグ最少となっている。