5日、右肘手術決定の報道後、レッドソックスの松坂大輔が、初めて地元メディアの前に立ち質問に答えた。ボストン・グローブ紙は入団時の華々しさと比較して、静かな終幕だと6月5日付で伝えた。

 2006年に松坂がボストンにやってきたときは、数百人のリポーターと十数台のテレビカメラが日本からの投手を待ち受けた。松坂の入団はその年、最大のニュースのひとつだった。

 しかし、5日の昼前、肘の手術が発表されて初めてメディアの前に姿を現した松坂を囲んだのは、わずか8人のリポーターだけだった。クラブハウスで行われた会見には球団上層部はひとりも姿を見せず、チームメートたちも黙って横を通り過ぎるだけだった。

 先週の初め、松坂が手術を受ける方向で考えているという報道が日本から伝えられ、水曜日には手術が決まり今季絶望との報道が相次いだが、松坂は手術を決心したのは金曜日だと強調した。今週後半に手術を受ける予定で、靭帯が断裂しているため手術を選択するしかなかったといい「手術は初めてなので、こういう結果になってショックを受けている」と述べた。

 来季はシーズン中に復帰できると思うかと訊かれた松坂は「今の時点ではなんともいえないけれど、できるだけ早く試合に復帰できるように努力するだけだ」と通訳を介して答えた。ここで対メディア渉外担当者が「訂正したい」と口を挟み「手術を受けることには若干の不安がある。ぼくにできることはベストを尽くして、できるだけ早く復帰することだ」と通訳し直した。

 これでレッドソックスで投げることはない可能性があるが、これまでのこのチームでの自分の投球についてどう評価するかという質問に対しては「これで終わりだとは思っていない。レッドソックスのユニフォームで復帰したい」と答えた。