ご存じの通り、レッドソックスの岡島秀樹が戦力外通告を受けました。

皆さんは、この報道を聞いてどう思われましたか?
「過去4年チームに貢献してきたのにヒドイ。今季はイマイチだけどクビにするほどダメじゃないぞ」
「やっぱりメジャーは厳しいなあ」
そんなところでしょうか。

確かにそんな意見は正しい。
岡島の成績は、7試合で1勝0敗、防御率は4.32。
素晴らしいとは言えませんが、一見そこそこです。
このことは、クビになるかどうかは絶対的な成績では無く、球団内の40人メジャー登録枠内または25人のアクティブ・ロースター枠内での相対的な位置付けにより決定するという、ある意味ごく当然の事実を再確認させてくれました。
要するに、今季の岡島はクビにしなければいけないほどダメだった訳では無く、もっと良い左のリリーフ投手が獲得できることになったため岡島が押し出されたのです。

しかし、あらためてレッドソックスのセオ・エプスティーンGMの優秀さを思い知らされました。
と、いうのも岡島を戦力外にする寸前にロッキーズからフランクリン・モラレス投手をトレードで獲得しているからです。
モラレス投手は制球難で伸び悩んでいるものの、数年前はメジャー全体でも有数のプロスペクト(期待の若手)として大いに将来を嘱望された有望株の左腕です。
年齢はまだ25歳ですから、まだまだこれからその持てる潜在力を大いに発揮する可能性は高いでしょう。
しかも、交換相手はPlayer To Be Named Later(PTBNLと省略されます、要するに後日決定するだれか、という意味です)ですから実に安く釣り上げた訳です。

レッドソックスはメジャー有数のお金持ち球団。
そうなると、どうしても大金でスタープレーヤーを買い漁ることのみに流れがちになってしまうものでしょう。
しかし、ここでモラレスを獲得したということは、エプスティーンはスタークラスのみならず、アクティブ・ロースター25人の25番目の選手のアップ・グレードにも努力を怠っていないということです。
そして、どんな選手が今他球団で浮きかかっているかにもしっかりアンテナを張っていることが改めてわかりました。
もちろん多忙な彼が、自分で情報を収集している訳ではないでしょうから、有効な情報が即座に彼のもとに報告される組織やスキームをしっかり確立しているということです。
素晴らしく優秀なビジネスマンですね。

岡島が戦力外通告された理由がよくわかりました。