守って、守って得た勝利。楽観は禁物だ<br>(Photo by Tsutomu KISHIMOTO)

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W杯の初戦、カメルーン戦は1−0で勝利した。どんな内容であれ勝ちは勝ちであり、負ければ絶望的だった初戦で勝ち点3を取れたことは素晴らしいことだ。今後の戦いが非常に楽しみになったね。
しかし日本はまだ何も成し遂げていない。勝利を喜ぶサポーターに水を差すつもりはないけど、この試合でも世界との差を痛感せざるをえなかったことはしっかりと認識しておくべきだと思うね。

相手の出来の悪さも手伝い、守って守って得た勝利だった。日本は集中して全員でよく守ったが、首の皮一枚で守り抜くのは今の日本ができる精一杯の戦い方だった。攻撃の形はちぐはぐなまま。それ以上にカメルーンがちぐはぐだったのはさておき、1勝の喜びと同時に、このままでは決勝トーナメント進出は難しいであろうことを感じざるを得ない。
 
なぜなら、次のオランダ、最終戦のデンマークは今日のカメルーンに比べてもう1ランク、2ランク上のサッカーをしてくる。カメルーン戦のように守り抜けるとは思えない。集中した守備を維持することはもちろん、相手のミスを待つだけでなく、攻撃で相手を脅かすこともしていかなければ、引き分けるのも難しいだろう。今日のカメルーン戦でそうしたシーンは何度あっただろうか。

悲願の勝ち点3の裏で、修正しなければならない点は多い。浮かれている暇はないよ。もっとも、オランダ戦に負けても次があると思える状況になったのは素晴らしいね。初戦の勝ち点3の意味は、とても大きい。(了)