異議は認められなかった。フィオレンティーナFWアドリアン・ムトゥは、チェルシーに1700万ユーロ(約19億円)以上の補償金を支払わなければならない。ムトゥはチェルシーに所属していた2004年、コカインの陽性反応がドーピング検査で発覚し、チェルシーは同選手と結んでいた残り4年の契約を破棄。ムトゥがその後ユヴェントス、フィオレンティーナへ移籍し、キャリアを取り戻してから、補償金を請求していた。

FIFAとCAS(スポーツ仲裁裁判所)はムトゥの責任により契約が解消されることになったとし、チェルシーへの支払いは妥当と判断。決定を認めていた。これを受け、ムトゥはスイスの連邦裁判所に異議を申し立てたが、同裁判所はこの件について吟味した結果、ムトゥの異議申し立てを却下した。

さらに、ムトゥは1月末のドーピング検査でも陽性反応が見つかり、9カ月の出場停止処分を受けている最中だ。ムトゥがピッチに戻れるのは、10月29日からとなる。今回、異議申し立てが却下されたとの報を受け、ムトゥの代理人の一人であるヴィクトル・ベカリ氏は、複数のメディアに対して次のように話している。

「まずは裁決文が届くのを待とう。それから、彼の弁護士たちと一緒に、どう動くかを決めていく。欧州裁判所にまた訴え出る可能性も排除はしない」