「侍ジャパン」のクローザーとしての期待を背負い、第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を戦った阪神の藤川球児投手。でも、1次ラウンドから調子が上がらず、準決勝・決勝では大事な局面でクローザーにダルビッシュ有投手が送り出されるなど、期待された役割を完遂することはできなかったが、それでも4試合に登板し、0勝0敗、防御率0.00、3奪三振の成績を残している。そんな藤川投手の「代表引退」が3月25日に報道され、各ポータルサイトでも大きく取り上げられたが、藤川投手はこれを完全に否定。公式サイトで自身の気持ちを説明している。

この「代表引退」報道は、スポーツニッポンやサンケイスポーツなどが3月25日に報じたもの。スポーツニッポンによると、準決勝・決勝で出番がなかったことについて、藤川投手が「納得はしていない。でも起用法はベンチが決めることだし、決して誰かを憎んではいない。“クソッ”と思う気持ちは胸にしまっておきます」(同紙より)と発言し、さらに「ダルビッシュや新しい世代が出てきた。だから僕の出る幕はもうないでしょう。もし仮に選ばれたとしても、“イエス”とは言えないかもしれない」(同)とコメントしたとしている。記事の見出しは「準決、決勝出番なし…球児 代表引退を示唆」だった。

一方、サンケイスポーツは「藤川、出番なし…代表『僕はもういいよ』」との見出しで報道(※ポータルサイト配信記事は「藤川、出番なし…代表引退を示唆?『僕はもういいよ』」)。藤川投手は「自分のやるべきことをやっただけ。今後の国際大会に向けて自信にしてくれたらいい。僕はもういいよ」と発言したとしている。

こうした報道に対し、藤川投手は26日17時01分に公式サイトのブログを更新。「報道されているような、悔しいとか、悔いが残るとかいった気持ちは全くありません。読者の方の目を引こうと記者の人も大変なんですね…。でも、それで僕自身が誤解されるのは不本意なことです」と、報道に困惑気味だ。また、「悔いが残るとか、準決勝・決勝と連投して胴上げ投手になりたいとか、そういう発言も一切していません」「代表を引退するとも言っていません」と、発言したとされる部分も完全に否定している。

藤川投手にとって今回のWBCは「野球人藤川球児にとってはものすごく成長できる過程でした」と、大きな収穫があった様子。もうすぐ始まるシーズン、今度は阪神の絶対的な守護神としての活躍を期待するとともに、次回大会でも代表メンバーに選ばれるような、末永い活躍に期待したいものだ。