15日にドメネク監督の留任が決まったフランス代表。留任の決め手となったのは、W杯予選3戦目のルーマニア戦で2点のビハインドから引き分けに持ち込んだ戦いぶりに明るい兆しが見えたことと、代表メンバーがこぞって監督への支持を表明したためだと言われる。

 しかし続投が決まっても、ドメネク監督の選手起用に関する疑問がなくなったわけではない。最大の疑問は、フィリップ・メクセスをなぜ起用しないのかだ。1―3で完敗したオーストリア戦で振るわなかったメクセスは、その後3試合をベンチで過ごしている。強豪ASローマのレギュラーとして5シーズン目を迎えながら、代表キャップはわずか10にとどまる。代わりにドメネク監督がセンターバックとして起用しているのが、本来はサイドバックのアビダル(バルセロナ)と、リヨンでほとんど出番のないブームソン。過去2試合の失点はいずれもこのコンビのミスが原因だ。

 この“メクセス外し”に異を唱えたのがジネディーヌ・ジダン。20日に更新した自身のホームページで「メクセスのような才能ある選手がこんな状態でいるのを見るのは気分が悪い。彼はフランスに必要なこれからの選手。10年だってプレーできる選手だ。彼を認め、彼に任せる代わりに、何とかチームから排除しようとすることには怒りを感じる」と語っている。

 ジダンは個人的にはメクセスをよく知らないと言うが、その才能については、かつてのチームメイト、ローラン・ブランやリリアン・テュラムに匹敵するものをチームにもたらすだろうと称賛を惜しまない。フランスの固いディフェンスを復活させるなら、多少のミスには目をつぶってでもメクセスを使い続ける価値はあるというのがジダンの主張だ。