98年W杯の優勝経験者がティエリ・アンリのみとなったフランス代表。レキップ紙はこの新しい代表のキャプテンを「栄光と衰退の証人」と評している。2010年W杯予選の初戦(6日、対オーストリア)に完敗したあと、選手や関係者がこの敗戦のショックを可能な限り和らげようと努めている一方で、国内メディアは「衰退」を強調し、次のセルビア戦(10日、スタッド・ド・フランス)は、「ドメネク監督の首がかかった一戦」と危機感をあおっている。

 レキップ紙は、過去の記録にさかのぼって現在のフランス代表がいかに凋落したかを示した。フランスが親善試合を含まない“大会”で3連敗を喫したのは、1964年以来のこと。

 W杯予選スタートの前に行なわれたスウェーデンとの親善試合でも、勝ちはしたものの2点を失い守備の不安が指摘されたが、それがそのままオーストリア戦での大量失点に表れた。過去4試合での合計失点が11点に達したのは、26年ぶりとなる。

 加えて、ドメネク監督の通算成績は31勝8敗17引き分け。勝率は55.3%で、プラティニ監督時代(1988〜92年)とほぼ同じだが、プラティニ以降の前任者4人(ウリエ:58%、ジャケ:64%、ルメール:64%、サンティニ:79%)と比べるとかなり低い。

 もし10日のセルビア戦に勝てなければ、つづく12日のフランス・サッカー連盟(FFF)の理事会で、ドメネク監督続投の是非が問われることは間違いない。前回ドメネク続投を強く推したエスカレットFFF会長の立場も微妙になるだろう。