北京五輪、男子110メートル障害走の劉翔選手(中国)は競技途中に足の異常で棄権した。これに対し、ネットで中国国民からの非難が殺到しているが、中国メディア側は劉翔選手を擁護する構えで各メディアで同情的な報道に徹している。

北京五輪開始前にテレビ番組の企画で中国国民へ「関心のある競技は何?」とアンケートをとっていた。1番関心があるのは、「陸上」だったのだ。その理由は「アテネ五輪で金メダルをとった劉翔選手が出るから」である。
今回、劉翔選手の棄権に対するネットでの非難により、アンケートで1位になったその人気に納得する形になってしまった。
Yahooニュースによると、
劉翔選手は1次予選でスタートしたものの、足の異常で途中棄権。
日本時間午後0時50分頃の出来事だ。その後、約2時間ほどでネット掲示板に4万件近い書き込みがあったという。
ほとんどは非難的な内容で、
「這ってでもゴールまでいくべきだった」、「110メートルは、そんなに遠いのか」と途中棄権に対するものから、
、「だまされた」、「広告に出た製品は2度と買わない」、「広告に出すぎて疲れた」と同選手が広告に多く出ていた事に対するもの、
「トンズラの劉」、「敵前逃亡」、「中国の面汚し」など、口汚い非難もあった。
同選手が企業広告に出て、得た収入は8000万元(約12億5千万円)にものぼっていたという。

2008/8/20の西日本新聞によると、
一方中国メディア側は、同日に北京紙の新京報が
「同情心を持ち劉翔の棄権を理解すべきだ」
「彼は国民の期待の大きさを承知しており、棄権の決断は勇気が必要だった」
といった、同情的な報道を展開。
また、環境時報では
「敗北した英雄に中国がどう対応するか世界のメディアが注目している」
と、国民の劉翔非難を抑える含みをもたせ、
北京農報では
「われわれは君が戻ってくる日を待つ」
といったように、劉翔選手擁護の内容が大半であった。

また、中国政府も劉翔選手へ即座にねぎらいの電報を打っており、
政府レベルで「劉翔バッシング」を静めようとしている。

ネットによる発言はおそらく、中国の今までの情報発信に比べ、かなり自由なものであろう。政府、メディアの報道作戦がネットにどれだけ対抗できるか。
しかし、ネットの盛り上がりもやがて終息するのは目に見えているのだが。

(編集部:TAKESHI)

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