「週刊新潮」「週刊現代」誌上では壮絶なバトルが展開されている

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   吉本興業が、“お笑い”とは程遠い「告発合戦」に巻き込まれている。事の発端は吉本の副社長が元暴力団に脅迫された、と週刊誌が報じたことに始まる。創業家当主の林マサ氏がこの元暴力団のバックにいたというのだ。そして今度は吉本の漫才師で特別顧問の中田カウス氏が暴力団と関係を利用して、吉本の経営に影響を与えたとする林マサ氏の手記が今度は別の週刊誌に掲載された。週刊誌の誌面上を舞台に壮絶な「バトル」が展開されている。

吉本興業と暴力団の関係が誌上バトルで「暴露」

   週刊現代2007年4月7日号は、山口組系暴力団元幹部の「コワモテ」経営者が吉本興業の大崎洋副社長に、吉本創業家の林正之助元会長の法要を「なんばグランド花月」で行い、さらに林裕章前社長(故人)の息子を役員にするよう脅したなどと報じた。同誌は、該当記事に「創業家『排除』の『逆襲』の暗躍――お家騒動が始まった」と副題を付けるなど、林裕章前社長の夫人・林マサ氏と吉本の現経営陣との対立が背景にあることを指摘している。

   これに反論するように、週刊新潮では4月5日号、4月12日号と2週にわたって創業家側の林マサ氏の手記を掲載。そこでも爆弾発言が飛び出した。なんと、漫才師・中田カウス氏が、暴力団・山口組五代目との関係を近辺に吹聴し、04年9月に吉本の特別顧問職に就くなど、吉本の経営にも口を差し挟むようになったというのだ。さらに、件の「脅迫事件」の席にカウス氏が同席し、これを受けた緊急役員会議でもカウス氏は「尊大な態度で、滔々と持論を展開していた」のだという。
   しかし、これに対し中田カウス氏が週刊現代4月21日号の誌面上で反論。さらには、創業家と暴力団の癒着を次のように指摘している。

「五代目の威光を利用しようとしたのは、僕ではなくマサさんですよ」
「僕と五代目の関係を言うんやったら、自分と今回の”脅迫事件”の問題となった人物との間はどないやねん、と言いたいですね」

どちらの発言が正しいのかは別にしても、吉本興業と暴力団の関係が2人の誌上バトルで「暴露」されてしまった形だ。

「ネタによっては会社がひっくり返るかもしれないよ」

   カウス氏は今回の「お家騒動」について、ファンを騒がせたなどとして特別顧問の退任届けを提出。07年4月9日に受理されている。一方のマサ氏については、吉本興業側が名誉毀損などで法的措置を検討している。
   しかし、吉本興業広報は副社長への元暴力団の経営者の脅迫事件が週刊現代に報道されていた事実とほぼ正しいことを認めたうえで、次のようにいぶかる。

「副社長を脅迫した(元暴力団の)経営者というのは、カウスの後援会をやっていた人で、知り合いなんですよ。そして、カウスの代理人はマサさんの代理人と同じ人なんです」

   吉本側にも「背景に何があるのか分からない」といった様子だ。
   吉本興業の関係者はJ-CASTニュースに対し次のように明かす。

「どっちもどっちだが、現状からするとカウスが不利ではないか。カウスは、そういう(山口組との関係)『言い草』をして力を振るっていたのは確かなこと。さらに、カウスは一昨年、息子を吉本の社員にさせた。そこまでやると『あのオッサンやり過ぎやな』と社員も思っていたのではないか」

   さらに、今後の展開については次のように述べる。

「吉本には他にもいろんなネタがあって今後どれが出てくるか分からない。ネタによっては会社がひっくり返るかもしれないよ」