連日のようにチェルシー退団の可能性が報じられているジョゼ・モウリーニョ監督について、チェルシーの選手から残留を求める声が相次いでいる。

 現在解禁中の移籍マーケットで、戦力補強に消極的な姿勢を見せるクラブを批判したモウリーニョ。一方のチェルシー首脳陣も、FWアンドリー・シェフチェンコがスタメンで起用されない現状に不満を抱いており、アシスタントコーチを務めるスティーブ・クラークの解任を検討中であると、モウリーニョに告げたとも言われている。

 クラブと指揮官の間に不穏な空気が流れる中、キャプテンとして指揮官を支えるDFジョン・テリーは、モウリーニョの残留をクラブに強く求めるとしている。

「僕たち選手は、ジョゼに残ってもらいたい。これは全員の意見だ。トップチームの選手が数人集まって、クラブ側と話し合うことも検討している。ジョゼは最高の監督だ。それは、今後20年間変わらないだろう。そして、僕たちは最高の監督の下でプレーしたいんだ」

 さらに、FWディディエ・ドログバは、「ジョゼを失うなんて、大きなダメージだ。彼の退団が本当なら、こんなに悲しいことはない。今のチェルシーを作り上げたのはジョゼだから…」と、その胸中を語っている。

 しかし、4−0の勝利を収めたウィガン戦後のインタビューで、「来シーズンもチェルシーで指揮を執るか?」と聞かれたモウリーニョは、去就の明言を避けている。

「私は2010年までチェルシーと契約を結んでいるし、このクラブを率いることに喜びを感じている。しかし、何が起こるかは分からない。特にサッカー界ではね」

 突如として去就問題が浮上したモウリーニョには、すでにレアル・マドリーやインテルが興味を示している。特にレアルは、アメリカ行きを決めたデイビッド・ベッカムの後釜として、MFフランク・ランパードをモウリーニョとセットで獲得したい考えのようだ。一方のチェルシー側も、後任監督の候補として、ロシア代表のフース・ヒディンク監督に加え、チェルシーでプレー経験もあるユベントスのディディエ・デシャン監督や、セビージャのファンデ・ラモス監督をリストアップしているという。いずれにしても、モウリーニョの去就を巡る幾多の憶測は、今後も過熱の一途をたどることになりそうだ。