1日夜、広島市の世界平和記念聖堂で行われた礼拝。(撮影:吉川忠行)

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宗教の違いを超えて平和について考える「世界平和の祈りの集い」が1日夜、広島市中区の世界平和記念聖堂で開かれ、ノーベル平和賞受賞者のデズモンド・ツツ大主教(1984年受賞、南アフリカ出身)とベティ・ウィリアムズ氏(1976年受賞、英国・北アイルランド出身)が出席した。

 1−2日に開かれている「広島国際平和会議2006」(同会議実行委員会主催)の関連イベントとして、広島のキリスト教団体などの呼びかけで実現した。賛美歌が斉唱されたほか、チベット仏教僧による読経も行われ、聖堂に入りきらないほどの多くの人が、厳粛な面持ちで耳を傾けていた。

 ツツ大主教は「日本人も、アフリカ人も、ほかのどこの人も、さまざまな違いはあるけれど、共通点もある。食べ物がなければお腹が空くし、涙が出れば泣く」と述べ、同じ人間として共生することが平和につながるとの認識を強調。ウィリアムズ氏は「これまでの悲劇が悪い"思い出"となり、今後の警告となることを祈ります」と頭を下げた。【了】

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