5日、第2回公判を終えて東京地裁を出る堀江貴文被告(撮影:吉川忠行)

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ライブドア(LD)事件で証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われた元社長、堀江貴文被告(33)の第2回公判が5日、東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれた。検察が粉飾に利用したと指摘する投資事業組合(投資ファンド)を運営していた投資事業会社「バリュー・リンク」(東京都千代田区)の大西洋社長が、検察側証人として証言台に立った。

 証言によると、2003年10月ごろ、エイチ・エスインベストメントの野口英昭元社長(LD強制捜査後に沖縄で自殺)から、LD株を受け入れ、売却するファンドを作るよう依頼があり、大西社長はVLMA1号投資事業組合と同2号を相次いで組成。出資は現金ではなくLD株による現物出資だった。

 大西社長はファンドでLD株を売った後、野口元社長から売却代金を「M&Aチャレンジャー投資事業組合」(エイチ・エスインベストメントが組成)に戻すように言われた。しかし、当初210万円だったファンド管理などに対する報酬がもう少し欲しかったのですぐには戻さず、その後野口元社長から2500万円を受け取ったという。大西社長は「ファンドはLD株を売却するためだけに組成された。LD株を現金化して経理操作するなど、粉飾したかったのかなあと思った」と証言した。

 公判では、ファンドがLDと事実上一体化した「ダミー」か、LDから「独立していた」のかが主な争点になっている。

 また、大西社長は、投資ファンドがLD株の売却で得た後に使途不明になっていた約1億5000万円に関し、LD元取締役の宮内亮治被告(39)が役員だった香港の会社に送金したことを「知っている」と証言。送金の理由とその後については「知らないし、聞いていない」と証言した。

 堀江被告は黒っぽいスーツに白のワイシャツ、灰色と黒のストライプ柄のネクタイを締めていた。証人尋問の間は、時折後ろに座る弁護士と言葉を交わしながらやり取りを聞いていた。【了】

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