提供:週刊実話

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 永田町で小沢一郎自由党代表が電撃訪朝し、金正恩委員長や北朝鮮幹部らと会談、拉致問題等に大きな進展をもたらすのではという話が急速に拡散し、安倍政権に激震が走っている。

 事の発端はアントニオ猪木参院議員が国民民主党会派入りしたこと。猪木氏といえば、これまで訪朝は33回にも及ぶなど、日本では最も北朝鮮に精通する国会議員だ。2月20日の会見に同席した小沢代表が「(訪朝の)要請があれば、いつでも訪朝したい」という強い意欲を示したことの意義は大きい。

 つまり、「小沢・金正恩電撃会談」「拉致問題で小沢・北幹部会談」の可能性が出てきたのだから、北朝鮮とのパイプがない安倍政権が震撼するのも当然なのだ。

「猪木氏と小沢氏は多少の面識はあったが、それほど親しいというわけではなかった。しかし、ここ1カ月で小沢氏がストーカーのごとく猪木氏に“日本のために野党大連合に力を貸して欲しい”と懇願、小沢氏の熱意に猪木氏が男気を発揮したという流れです。そこで俄かに訪朝話ですから、小沢という政治家の力は底知れない」(夕刊紙記者)

 当の猪木氏は会見で親北朝鮮国会議員としての自負を語るとともに、今回の会派合流をこう説明した。
「自民党の独断じゃなくて、小沢先生と組んで強い野党でなければならないと思った。政界スキャンダルが起きるたびに、こういう政治の在り方よりも、やはりバランスの取れた政治でなくちゃいけないのかなということです」

 一方の小沢代表は猪木氏に会派入りを打診した理由について、
「安倍政権は日朝関係の対話の窓口さえない。米朝会談でもまったく蚊帳の外。日本の将来を考えると、そういうことでは危うい。北朝鮮との対話の窓口を持っておられる猪木先生が我々に参加していただくことは大きな対北の突破口となりうる」と説明。さらに「猪木氏が訪朝するとき、来いと言われれば、私はいつでもご一緒したい」と宣言し、会見場に詰めかけた記者からはどよめきが起きた。

「1994年、猪木氏は尊敬する北朝鮮生まれの力道山のために平壌に殿堂を造りたいと言い出したのが訪朝の最初。翌年には、8000万円を投じ平壌の綾羅島にあるメーデースタジアムで34万人を集めたプロレスを敢行。当時の北のトップは金正恩委員長の父である金正日総書記だった。以来、猪木氏は北朝鮮の信頼を勝ち取り幹部らと交流を深めてきた。昨年、北朝鮮建国70周年の際も訪朝したほど。北は来年の東京オリンピック・パラリンピックに参加する意向で『南北で一緒になって協力したい』と猪木氏に伝えました。北朝鮮で猪木氏は絶大な人気を誇っていますよ」(北朝鮮ウオッチャー)

 自由党周辺関係者は小沢代表の今回の猪木氏急接近をこう解説する。
「自民党は猪木氏を元人気プロレスラー、北朝鮮事情通で存在感はあるが、金銭トラブルも仄聞するだけに接触は避けてきた。しかし、剛腕の小沢氏は違った。オール野党の結集に向け偏見を捨て、さまざまな調査とシミュレーションをしてきたのです。その中で'13年の参院選比例で日本維新から出馬した猪木氏は約36万票を獲得し、党内トップ当選した実力などを高く評価したのです」

 同関係者は小沢代表が猪木氏に5つのメリットを見い出したと分析している。
(1)過去の得票数は自民党のJA代表、医師会代表、歯科医師会代表の比例議員らの得票をはるかに上回る。
(2)現在も「元気ですか! 1、2、3、ダーッ」で若者や大衆に大人気。
(3)小沢代表と同級生。今夏の参院選で勝ち6年間議員を務め上げる体力は十分。
(4)参院選に向け元貴乃花親方を擁立できれば猪木、貴乃花両氏で100万票可能。
(5)対北朝鮮問題解決。
「会見でも述べていたように、小沢氏は訪朝に意欲満々です。昨年、70周年で訪朝した猪木氏は拉致など“話せないこともある”と語っていた。つまり、猪木氏は北のトップクラスの幹部とのチャンネルを持っている。仮に猪木ルートで小沢氏が訪朝し金正恩委員長との会談が実現すれば、小沢氏に対する国民人気は沸騰する。小沢、猪木ラインに支持が集まることは必至です」(同)

 昨年の訪朝時、猪木氏はは李洙墉(リ・スヨン)・朝鮮労働党副委員長と会談している。李氏はスイス留学中の金正恩委員長の親代わりだったとされ、'18年3月の初外遊先となった訪中で金委員長に同行している。同年6月と第2回の米朝首脳会談でも金正恩委員長に同行した金体制6人衆の1人だ。

 もちろん、自民党幹部の間では「政権側ではない小沢氏に北の幹部が会うことはありえない」と否定する声が圧倒的に多い。

「金委員長はクレバーです。小沢代表が政権をひっくり返す力を持つと判断すれば、躊躇なく手を貸すでしょう。さらに、小沢代表は中国の習近平国家主席と太い絆がある。'09年、当時、国家副主席だった習主席と天皇陛下との会見を国内の猛反対を押し切って実現させている。金委員長の後ろ盾は習主席。習主席が小沢・金正恩会談や小沢・北最高幹部会談を仲介すれば、日本の世論は拉致問題などで膠着状態が続く安倍政権をソロリ、ソロリと見放す事態になる。怒涛の与野党大逆転劇は起こりうるのです」(前出・北朝鮮ウオッチャー)

 小沢・猪木のタッグOI砲で安倍自民をKOダーッ。