カタールに敗れ、ベスト8敗退となった韓国【写真:ⒸAFC】

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アジア杯準々決勝でカタールに破れ59年ぶりの優勝逃す ベント監督の采配に疑問の声も

 韓国代表は25日、アジアカップ準々決勝でカタール代表に0-1で敗れ、ベスト8で大会を去った。

 この試合にパウロ・ベント監督は、エースFWソン・フンミン(トットナム)を右サイドで起用。トップ下にはMFファン・インボム(大田シチズン)が入った。

 序盤から拮抗した展開が続くなか、後半33分にカタールのMFアブデルアジズ・ハティムに強烈なミドルシュートを決められて先制を許す。その2分後にDFイ・ヨンの右サイドからのクロスをFWファン・ウィジョ(ガンバ大阪)が合わせてゴールネットを揺らしたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によってオフサイドと判定され、ノーゴールとなった。最後までゴールを奪えない韓国の焦りが見えるなか、カタールが1点を守り切り、準決勝進出を決めた。

 最後まで1点を奪えなかったパウロ・ベント監督の采配に、韓国メディアは疑問を投げかけている。

 韓国のサッカー専門サイト「インターフットボール」は「ボールポゼッション63%、パス466回、パス成功率87.77%。パスと関連する記録でカタールを上回ったが、枠内シュートはたったの2つ。相手よりも鋭い攻撃チャンスを作ることができなかった。ウリ・シュティーリケ元監督時代に証明されたポゼッションサッカーの虚像がまた繰り返された」と伝えた。

 ボールを支配しながら攻撃を仕掛けるサッカーを目指すと公言していたベント監督だが、「カタールのほうが効率のいいサッカーをしていた」と試合後の会見で認めていた。

キ・ソンヨンに続きク・ジャチョルも代表引退を示唆

 また韓国の一般紙「国民日報」は「日本は誤審や試合内容などで、様々な言われ方をしながらも、しっかりとベスト4まで進出した。ベトナムも自分たちのサッカーを見せつけた。彼らには結果だけでなく、自分たちのストーリーがあった。しかし、“ベント号”は違った。接戦のなかで得た成績表は凄惨だった」と、他国の試合内容を引き合いに出して比較した。

 さらに「疲れている選手もいて、繰り返される攻撃のルートとパターンも同じだった」と指摘した。

 それでもこのカタール戦の黒星は、ベント監督が就任してから初めての敗北だ。これをどのように評価すべきなのかは、韓国メディアでも見解が分かれている。1960年以来、59年ぶりのアジアカップ制覇を目指していた韓国だが、その目標は潰えた。

 試合後、MFク・ジャチョル(アウクスブルク)が「代表引退を決めた」と語っており、負傷で大会を途中離脱したMFキ・ソンヨン(ニューカッスル)も代表引退を決めているという。世代交代の波が押し寄せるなか、ベント監督は今回の敗戦を教訓に新たなスタイルを構築することが急務となる。(金 明碰 / Myung-wook Kim)