イベントスペース内には、この日発売されたばかりの「⾸都圏鉄道⼤百科」がズラリと並んだ

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6/20(⽔)、ウォーカームック「⾸都圏鉄道⼤百科」(発⾏:KADOKAWA)の発売を記念して、「『⾸都圏鉄道⼤百科』発売記念! あらためて語りたい⾸都圏を⾛る鉄道ココがオモシロイ」トーク&サイン会が、東京・神保町の書泉グランデ7階イベントスペースで開催された。

【画像】写真左から伊原さん、豊岡さん、村上さん、栗原さん。日頃から仲良しのメンバー

「⾸都圏鉄道⼤百科」の発売⽇とあって、会場には50名以上の鉄道ファンが駆けつけた。この熱いイベントの様⼦をお届けしよう。

■ 平日開催ながら続々と集まるファンの人たち

イベントへの参加は無料。書泉グランデで「首都圏鉄道大百科」を事前予約するか、当日購入すると、整理券がもらえるシステムだ。イベント開始30分前の18時には、続々とファンが集まり始めた。

■ 満員御礼! 早くも熱気に包まれる

18時30分、用意された座席がすっかり埋まったところで、イベントがスタート。ママ鉄タレントとしてメディアやイベントで活躍する豊岡真澄さん、鉄道ライター・伊原薫さん、鉄道写真家・村上悠太さん、フォトライター・栗原景(かげり)さんの4人が登壇した。司会の栗原さんによる軽快な進行で、まずは自己紹介と、この本のコンセプトの紹介から。

栗原「首都圏の鉄道本なのに、制作スタッフは関西ウォーカー編集部の方が多いというのがユニークですよね」

伊原「この本の前に、関西ウォーカー特別編集の『大阪鉄道大百科』を作りました。今回はその首都圏版という位置づけなんです」

村上「今、首都圏で活躍している227形式の車両が紹介されています。僕は、その半分くらいの車両の写真を撮影・提供しました」

栗原「7月5日に新館がオープンする鉄道博物館の徹底ガイドも掲載されていますね」

村上「新館に展示される東北新幹線『はやぶさ』のE5系は、わざわざ展示のために製造されたものなんです。内部まで本物と同じように作られていて、感動しました! その隣の、山形新幹線の初代車両である400系も、連結器を格納したカバーが開くようになっています」

ひときわ盛り上がったのが、表紙の写真についての裏話だ。

村上「小田急の新型ロマンスカーGSEを撮影しました。太陽光などがベストとなるタイミングでGSEを撮影できるのは、一部の週末だけなんですが、撮影当日が曇りだったんですよ。困ったな、と思っていたら、列車が来た数分だけ晴れてくれたんです」

豊岡「すごく運が強いですね! じゃあ、バッチリな写真が撮れたんですね」

村上「ところが、条件が良すぎると、展望席のお客さんまでバッチリ写ってしまうんです。そこがとても難しかったですね」

■ 4人が選ぶ、首都圏おすすめ電車はコレ!

続いて、本に掲載されている車両から、出演者4人それぞれが気に入っている車両が紹介された。

伊原「僕は首都圏に増えている、有料着席列車用の車両に注目しました。特に京王ライナーは、京王電鉄としては珍しい流線形の車体であることも特徴ですね。東武鉄道のTJライナーは10周年を迎え、すっかり定着しました」

鉄道ライターらしく、トレンドを分析する伊原さん。一方豊岡さんは、昔から活躍している電車が好きだという。

豊岡「私は、東武鉄道の8000系が好きです。最初に登場してから50年以上活躍している電車で、今は野田線や越生線などを走っています。以前、池袋駅まで来ていた時はこの電車を見ると気持ちが上がりました。本当は、ライトが丸い初期型が好きなんですけど(笑)」

栗原「リニューアル前のデザインの車両は、もう普段は走っていないですから、掲載しなかったんですよ(笑)」

村上さんが選んだのは、西武鉄道の「旅するレストラン 52席の至福」と、都電の9000形だ。

村上「都心から発着するレストラン列車は、『52席の至福』が唯一。都電9000形は古き良き下町を走るレトロ電車で、とても絵になります」

栗原さんは、芝山鉄道の3500形というちょっと意外な電車をおすすめした。

栗原「芝山鉄道は成田空港の近くを走る1駅だけのミニ私鉄で、車両は京成電鉄からリースされた4両編成1本しかありません。その車両が、普段は芝山鉄道から遠く離れた京成金町線を走っているというのがユニークです」

■ 村上悠太カメラマンが撮った! 巻頭グラビア「首都圏鉄道百景」を語る

次に、巻頭グラビア「首都圏鉄道百景」を撮影者の村上さんが解説。村上さんは「人と鉄道」をテーマの1つとしていて、鉄道の中に⼈や⽣活を写し込む表現が得意だという。

会場から歓声が上がったのが、JR東日本の水郡線で撮影した紅葉の写真だ。

村上「鉄道と⼀緒に新緑や紅葉を撮影するときは、わざと逆光で撮影するんです。太陽光が葉っぱを透過して、キラキラ輝くきれいな写真が撮れます。皆さんもぜひやってみてください」

観覧者の中には、写真を見ただけで撮影地を当ててしまう少年もいて、出演者と観覧者の和やかなやりとりが交わされた。

■ ⼩⽥急の新型ロマンスカー「GSE」密着取材を振り返る

トークのクライマックスは、表紙にも掲載された小田急新型ロマンスカーGSEを、豊岡真澄さんたちが密着取材したときのエピソード。本に掲載された写真のほか、栗原さんが撮影したオフショットやここでしか聞けない裏話も多数紹介され、まるで会場の人たちと一緒に取材しているような雰囲気に。

豊岡「私と村上さん、栗原さんの3人で行きまして、小田急電鉄さんの協力で、世田谷区の喜多見電車基地から新宿駅まで取材を行うことができました」

栗原「基地でGSEの撮影を始めたら、隣にもうすぐ引退する7000形LSEが入ってきたんですよね」

村上「あれは予想していなくて、GSEがLSEの陰に隠れてしまうかと思いました。そうしたら、ちょうど良い具合にLSEが少し下がった位置に停まってくれて」

豊岡「奇跡の2ショットとなったんですよね! GSEの運転席にも座らせてもらえて、貴重な体験になりました」

村上「VSEなど、今までの展望席付きロマンスカーより運転席が広くて、撮影も快適でした」

”奇跡の2ショット”がどんな写真になったかは、ぜひ実際の本を見て確認していただきたい。

■ トークの後はじゃんけん大会&サイン会

ほかにも、「首都圏の鉄道不思議と謎20」や「駅ナカでサクッ 名物グルメ」など、本に掲載された多彩なコンテンツが紹介され、あっという間に予定の1時間あまりが経過。最後は観覧車全員参加のじゃんけん大会となった。額装された豊岡真澄さんのサイン入り写真など、豪華な賞品が当たるとあって会場は大盛り上がり。豊岡さんのサイン会も行われ、イベントは大盛況のうちに終了した。

「⾸都圏鉄道⼤百科」の発売を記念して開催されたトークショー。観覧者の皆さんも、4⼈の鉄道トークにガッツリと引き込まれ、出演者と観覧者の“鉄道愛”をおおいに感じるイベントだった。

「⾸都圏鉄道⼤百科」は、1500円+税で、⾸都圏の主要書店またはネット書店などで好評発売中だ。(東京ウォーカー・斉藤育世)