日本ハム・栗山英樹監督【写真:石川加奈子】

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シーズン途中でエスコバーと谷元がトレード移籍

 10年ぶり日本一に輝いた昨季から一転、5位に沈んだ日本ハム。大谷翔平投手が左太もも裏肉離れで離脱、有原航平投手や中田翔内野手といった主力も不振に喘ぎ、開幕からチーム成績は低迷した。4月には10連敗を喫するなど厳しい戦いを強いられ、60勝83敗と大きく負け越し、首位ソフトバンクに34ゲームという大差をつけられた。オフには大谷がポスティングシステム(入札制度)を利用してエンゼルスへ移籍した。そんな日本ハムの2017年を10個のニュースで振り返ってみよう。

○大谷ポスティングでエンゼルス移籍

 投打の“二刀流”として数々の伝説を作った大谷。今季終了後の11月11日にポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指すと発表した。メジャーのほぼ全球団が争奪戦を繰り広げ、“書類選考”を経て7球団が直接面談。12月8日にア・リーグ西地区に属するエンゼルスへの入団が決まった。12月25日には5年間本拠地としてプレーした札幌ドームで移籍報告会見を行い、ファン約1万3000人が旅立ちの時を見守った。

○高校通算111発・清宮幸太郎入団

 大谷がチームを去ることになったが、早実の清宮幸太郎内野手という新たなスター候補が入団した。高校通算111本塁打の大型スラッガーで、10月26日のドラフト会議で7球団が競合。木田優夫GM補佐が抽選で見事に当たりクジを引き当てて、交渉権を確定させた。ドラフトの目玉を引き当てた木田GM補佐の幸運にあやかって、球団からは数々の関連グッズが売り出され、「黄金の左手像」までもが作られた。

○エスコバー&谷元トレード

 シーズン中に2度のトレードが行われた。まず、今季新加入したエドウィン・エスコバー投手が、7月6日に黒羽根利規捕手とのトレードでDeNAへ移籍。新外国人選手がトレードされることは異例で驚きを呼んだ。さらには、トレード期限の7月31日に、2009年から中継ぎ陣の柱として活躍した谷元圭介投手が中日へ金銭トレード。生え抜き選手のトレードは、再びファンに衝撃を与えた。

近藤は打率4割超をマークも腰痛で戦線離脱

○松本、横尾ら新星登場

 若手選手の育成に定評がある日本ハム。今季も楽しみな若手が続々と1軍の舞台へ上がった。24歳の松本剛外野手が主力に定着し、115試合に出場して打率.274をマーク。同じく24歳の横尾俊建内野手は50試合で7本塁打を放ち「おにぎり君」の愛称で親しまれた。他にも、投手では上原健太、石川直也ら、野手では清水優心、石井一成、太田賢吾、森山恵佑らが登場。来季以降が楽しみだ。

○大谷太もも裏肉離れ

 昨季終盤に負った右足首の故障のため、打者専念で開幕を迎えた大谷。だが、開幕直後の4月8日オリックス戦(京セラD)で左太もも裏を肉離れし、長期離脱を強いられた。約2か月半後の6月23日に1軍復帰。8月31日のソフトバンク戦で、ようやく投手としての“開幕”を迎えた。日本でのラスト登板となった10月4日のオリックス戦では、圧巻の2安打完封勝利を飾った。

○大型連敗

 大谷の離脱、中田や有原ら主力の不振が重なり、チームは開幕から低迷した。4月14日の楽天戦に敗れてから、同26日のソフトバンク戦まで負け続けて、まさかの10連敗。前年日本一の球団が10連敗以上を喫するのは56年ぶりのことだった。栗山英樹監督が試合終了後に「オレの責任」と語り続けたことで、このコメントがファンの間に浸透した。

○近藤健介、打率4割超も…

 主に3番を任された近藤健介捕手の打撃が絶好調。開幕から安打を量産し、47試合を経過しても4割台を維持。張本勲氏の持つ球団記録を更新した。だが、50試合を経過したところで腰部椎間板ヘルニアで戦列を離れ、手術も受けた。9月28日の楽天戦で復帰し、そこから7試合に出場。最終的には57試合に出場し、規定打席未到達ながら打率.413でシーズンを終えた。

ベテラン生え抜きの飯山が引退、武田久は古巣・日本通運へ

○飯山が引退、武田久が退団

 長らくチームを支えてきた2人のベテランがチームを去った。1997年ドラフト4位で入団した飯山裕志内野手は守備の名手として欠かせぬ存在に。だが、20年目の今季は10試合出場に終わり、今季限りで現役を引退した。2002年ドラフト4位で入団した武田久はセットアッパー、守護神として活躍。最近は登板機会を減らし、今季は7試合登板のみ。15年在籍した日本ハムを退団し、プロ入り前に所属していた日本通運に選手兼コーチとして復帰した。

○増井、大野がFAで流出

 シーズン終了後に大野奨太捕手、増井浩俊投手が国内フリーエージェント(FA)権を行使。大野は中日、増井はオリックスへの移籍が決まった。その一方で宮西尚生投手、中田翔内野手は権利を行使せず残留した。

○中田翔が新主将に就任

 来季の新主将に中田が就任した。11月26日に行われたファンフェスティバルで栗山監督がサプライズ発表。今季は129試合に出場し、キャリア最低の打率.216、本塁打も2011年のレギュラー定着後で最少の16本に終わった。主将就任が復調のキッカケとなるだろうか。(Full-Count編集部)