ケプラー90の周りにある8つの惑星 (c) NASA/Wendy Stenzel

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 米航空宇宙局(NASA)は米国時間14日、NASAの宇宙望遠鏡のデータをグーグルの人工知能(AI)に学習させ、ケプラー90恒星の回りにある8番目の惑星を発見したと発表した。

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 深層学習(ディープラーニング)の発明以来、AIの検出能力は人間を超えたといわれるが、今回の発見は地球から2545光年離れた恒星の回りにある惑星だ。

 恒星の名はケプラー90で、今までに7つの惑星があることが知られていたという。今回、8個目の惑星が発見されたことから、太陽系と同じく8つの惑星をもつ恒星となる。これは太陽系と並んで最も多い惑星の数である。

 新たに発見された惑星は14日半で恒星の回り、大きさは地球の1.3倍程度で、表面温度は400度を超える。残念ながら、この惑星に生物がいる可能性はなさそうである。

●惑星の発見の困難さ

 惑星は地球と同じく自らは光を放たない。太陽系でも光を放つのは恒星である太陽のみである。

 では、惑星はどのように発見するのであろう。それは光を放つ恒星の前を惑星が横切った時に光が弱まることから、惑星の存在を推測する。今までも膨大な宇宙顕微鏡のデータにAIを活用してきたが、遠方の世界の最も「弱い光」を見つけるのに深層学習のニューラルネットワークが適していることが、これで証明されたという。

●膨大な蓄積データは宝庫

 今までにNASAが宇宙顕微鏡で蓄積したデータから、さらに別の惑星を発見する可能性を秘める。そして、人間が処理しきれない膨大なデータは日々蓄積されていく。相まって、グーグルとNASAの研究者たちは、さらにAIを進化させていく。

 これは、新たな地球外生命が存在する可能性のある惑星の発見につながるのであろうか。この問いかけに応えるには、さらなる科学の進歩が必要であろう。何故なら、今観測している光は、数千光年、数万光年前の光であるからである。