「下着のパリコレ」とも呼ばれるトレードショー*「パリ国際ランジェリー展」が1月21〜23日の3日間、フランス・パリで開催されました。
*プロ向けの展示会

500近いブランドがスタンドを設けて新作を発表し、世界中からバイヤーやプレスが集結。ショーやセミナーなど、様々な催しが行われます。そこでキャッチしたランジェリーの最前線を、現地で撮影した写真と共にランジェリーエディターの川原好恵が2回に分けてリポートします。

前回はブラジャーの最新トレンドをお伝えしましたが、今回はラウンジウェアです。「ラウンジウェア」とは、簡単に言うと「部屋着」のこと。パジャマやネグリジェなど、ベッドで着るウェアも総称してそう呼ばれることも多いようです。

日本では、大人のための部屋着やパジャマ、ネグリジェなどは、デパートの下着売場やインテリア売場の一角に少しだけ並んでいるイメージですが、ヨーロッパでは扱う売場も広く、いろいろなブランドが並んでいて、アイテムもデザインも様々です。

部屋着でも人気のアスレジャー

ファッションの世界で人気のアスレジャースタイル。ご存知のように、アスレジャーとは「アスレチック」と「レジャー」を組み合わせた造語ですが、この人気は下着やラウンジウェアにも影響を及ぼしています。通常はフェミニンなラウンジウェアを揃えるブランドが、ヨガやウォーキングなどもできるスポーツウェアを提案したり、スポーツウェア風のディティールをほどこしたデザインを発表したり。部屋でくつろぐときも、軽い運動をするときも、街にショッピングするときも、すべて同じ服でOKというわけですから、楽チンかつ便利、そしてオシャレ。そんなアスレジャースタイル人気は、しばらく続きそうです。

SKINY

定番シャツパジャマ、よりエレガントに

ここ数シーズンのシャツパジャマ人気は、日本もヨーロッパも同じ。ただ、ヨーロッパでは、大人の女性向けによりエレガントなデザインやプリントがバリエーション豊富にそろっています。

前開きがダブルになったシャツに裾がフレアになったパンツ。白のパイピングがきいていて、ハイヒールを履けばドレスアップスタイルにもなりそうです。

HESPER FOX

つややかなシルクサテンに幾何学プリントをほどこしたシャツパジャマは、まさにモダンな大人スタイル。ちょっと辛口のイエローからゴールドの色使いが、とてもヨーロッパ的です。

ROOM24

正面はいたってシンプルなのに、くるりと背中を見せると繊細なレースが大胆にあしらわれた美しいバジャマ。大人の女性にこそふさわしい、優雅さを感じられるアイテムです。

HANRO

映画のヒロインみたい! サテンスリップ&ガウン

トレンドというわけではありませんが、この機会にご紹介したいのがサテンのスリップとガウンのセット。ヨーロッパでは、ラウンジウェアの定番としてよく見られるスタイルです。写真のようなラグジュアリーブランドであれば、シルク100%ですし、ポリエステルを使用して手頃な価格で提供するブランドもあります。日本ではなかなか目にすることのない、ロマンチックかつセクシーなセット。日本の寒い冬は無理かもしれませんが、旅先などで挑戦してみてはいかがですか? ホテルで過ごす時間も、映画のヒロインになったような気分に浸れると思いますよ。

AUBADE

ドレスのような総レースのナイトドレス

例えば、この真っ赤なレースドレスのように「本当に部屋で着るもの?」と疑問が浮かぶほど、豪華なアイテムが見られるのもパリ国際ランジェリー展の醍醐味です。こういうアイテムを見ると、プライベートな部屋や寝室で大切な人と過ごす時間を大切にし、そのために美しく装う……そんな文化がヨーロッパには根付いているのだとつくづく感じます。

LOVEDAY LONDON

欧米と日本では住宅事情も大きく異なるため、こんなゴージャスなナイトドレスを見ても、現実味がないかもしれません。ただ、ごく親しい人と過ごす時間、あるいは一人でリラックスする時間を、自分らしいオシャレで楽しむのはとても素敵なこと。好きなことをして過ごすオフの時間をそんな風に楽しめれば、なんとなく気持ちにも余裕が出て、オンの時間も充実するかもしれませんね。

川原好恵