サバゲーで「ドラマチックな死に方」を競う
近頃、「サバイバルゲーム」という遊びが流行っているのをご存知だろうか。
通称「サバゲー」と呼ばれるこの遊びは言わば「大人の戦争ごっこ」のようなもので、決められたフィールドの中でルールに従い、弾が出るオモチャの銃を使って撃ち合いをするのだ。



例えばこちら、お台場にある「ASOBIBA」ではこんな風に入り組んだ迷路のようなフィールドが展開されており、フィールド内で2チームに別れて撃ち合う。

相手の陣地の旗を獲ったら勝ち、相手を全滅させたら勝ち、など勝利条件はゲームによって変わる。今回の舞台は屋内だが、他にも森の中や広い荒野を模したフィールドもあり、週末などには戦闘服に身を包んだ大人達で盛り上がっているそうだ。



一般的なサバゲーの服装はこんな感じだ。迷彩服に身を包み、弾が目に入らないように必ずゴーグルを着用する。オモチャの銃とは言えかなりの威力なので目に入ると当然危険だ。

「フィールド内に居る時は絶対にゴーグルを外してはいけない」、「試合中以外は人に銃口を向けてはいけない、トリガーに指をかけない、必ず安全装置をONにする」、などといった安全に対する配慮は厳しく問われる。



そして撃たれた人は必ず大きな声で「ヒット!」と宣言し、両手を上げながら速やかにフィールドから退場する。弾が当たったか当たってないかは自己申告制なのだ。サバゲーが「紳士のスポーツ」と呼ばれるのもこういった厳しいルールや、自己申告制が採用されているからである。ただし、そんなサバゲーにも一つ問題がある。



撃たれ方がやや地味なのである。例えば、映画やドラマなどの「撃たれるシーン」だともっとドラマチックで派手だし、なんなら爆発したりスローモーションになったりもする。サバゲーの「撃つ」「撃たれる」というシーンをもっとドラマチックで派手なものにできないだろうか。

例えばこういう感じに。



いかがだろうか。かなり派手な演出が出来ているはずだ。
他にもこういう倒れ方もある。



こちらの神尾佑さんは、数多くのテレビドラマや映画・舞台に出演する俳優なのでやはり演技力がすごい。特にドクター真木という役をやったときは、その凄まじい演技が伝説となっている。
そこで今回は、サバゲーがもっと盛り上がる「ドラマチックな撃たれ方」を試してみることにした。要するに今回の企画はこういう事だ。「何言ってんだこいつ」と思われるかも知れないがお付き合い頂きたい。



ちなみに、今回この「ドラマチックサバゲー」の参考にしたのがこちらの海外ドラマ「ザ・ラストシップ」だ。





「ザ・ラストシップ」は、あの「アルマゲドン」や「トランスフォーマー」シリーズで知られるマイケル・ベイ監督製作総指揮の日本初上陸ドラマ作品だ。原作はウィリアム・ブリンクリーのべストセラー小説「The Last Ship」。 アメリカでは新作ドラマNo.1視聴率を獲得し、平均視聴者数750万人とノリに乗っているドラマだ。



「ザ・ラストシップ」では、今回の企画のようなオモチャの銃ではなく、リアルな銃撃戦も繰り広げられる。



銃撃戦以外にも迫力あるアクションが満載なこちらのドラマで、派手な戦闘の演出を勉強すると良いだろう。サバゲーにも活かせるものがきっとあるはずだ。









では「ドラマチックなサバゲー」に戻ろう。
今回は審査員を3名用意し、それぞれの死に方を採点して頂く事にする。
左からASOBIBA代表の正嵜(しょうざき)さん、「ザ・ラストシップ」の主役、トム・チャンドラー艦長の吹き替えをつとめた俳優の神尾佑さん、サバゲーに詳しいタレントの鈴木咲さんの3名だ。早速、採点に入っていただいた。


『運命の再会』



※演出の為にゴーグルを外しています

敵チームの敏腕スナイパーを追い詰め、



遂に倒す事に成功する。




そして倒した敵のマスクを剥いでみると……、




まさかの父親



味方を散々追い詰めた敏腕スナイパーが、倒してみたら生き別れた実の父親



たぶん20年振りくらいの再会なんでしょう。母親からは『お父さんは遠い国に行ったのよ』とか聞かされてて



撃たれた父親も、自分を倒したのが息子である事に満足しているのかもしれません。死に顔が安らか



まあ、サバゲーだと撃った相手のマスクは外しちゃダメですけどね


【採点】



いきなりの満点!

サバゲーの最中にマスクを外すのは確かにダメなんですが、父親と息子、という関係のように何かしら因縁めいたものがあるチーム同士で戦うのはやっぱりアツい。良いと思います!


この調子でどんどん見ていこう。

『最愛の人からの贈り物』



※演出のためゴーグルを外して撮影しています








胸に入ってた恋人のペンダントが銃弾を防いでくれたんだ


ドラマチックだなぁ。きっと、出かける前に『あなた!これ、お守りよ!無事に帰ってきてね!』って恋人に手渡される


コレを持ち歩くことでチームメイトに冷やかされたりしてね


「俺、この戦いから戻ったら結婚するんだ……!」


まあ、サバゲーのルールだと普通にアウトです


【採点】



確かにドラマチックかも知れませんが、ペンダントが入ってようがなんだろうがサバゲーのルール的には体に弾が当たったら一律でアウトです。こんなの認め出したらゲームが成立しません


『たかし』



※演出の為にゴーグルを外して撮影しています


あっ、あの子は足をくじいたみたいですね


本来なら、速やかに宣告してゲームを中断しないといけないシーンですね。このままだとアクシデントに気づいていない敵チームに撃たれるので危ないですよ






イケメンが助けに来ましたね







あっ!撃たれた!





たかしって、誰?


きっと、たかしは彼女の事がずっと好きだったんですよ


そうだね。彼女はそんなたかしの気持ちに気付いてあげられなかった


でも、最後の最後に、たかしが自分をかばってくれた事でたかしの気持ちに気付いたんです。ドラマチック……!


たかしは男だなぁ


だから、たかしって誰なんですか?


【採点】




犠牲になってでも女性を守ろうとする男性の姿はかっこいいですね!


かばってる暇があるなら自分が撃てば良いのにな、と思いました


こういう遊びは家でやってください


『俺の屍を越えて行け』





あれ?なんか捕まってる人が居ますよ


あれは捕虜戦ですね。撃たれたプレイヤーは相手陣地に収容されて、味方からの救出を待つというルールのゲームです


なるほど。敵に捕まっちゃったんですね







うわぁ。なんか悪そうな人達ですね


早く味方が助けに行かないと……