目印は、高く空に伸びた煙突。寺社建築を思わせる建物に近づくと、カコーン、カコーンと、桶の音。番台で料金を支払う。「おいおい、そっちは女湯だよ。スケベなヤツだなあ」なんてお約束をかまして、番頭さんに叱られつつ、脱衣場で服を脱ぎ、いざ浴場へ。風呂の匂い。湯けむり。富士山のペンキ絵。浴槽の、熱いお湯。初めて会う人たちとも気軽に話し、笑い合う。体を洗ってサッパリしたら、もう一回浴槽で温まって、よし、出よう