のどうた、と呼ばれる歌い方をご存じだろうか。これは伴奏とメロディーを、一人の口で奏でる演奏形態のこと。まるで笛のような、人の声とは思えない不思議な音が特徴だ。モンゴルの“ホーミー”といえば、ご存じの人も多いだろう。共鳴音と呼ばれるこの音は楽器に消されることがない。上手な演奏者ともなると、どこから音が出ているのかも分からないそうだ。演奏者であり、のどうたの会の代表でもある嵯峨治彦さんに伺うと、「これ