京都産業大学のYouTubeチャンネル「ハテナの探究」が、「【中国SLBM実験】太平洋へのミサイル発射の狙いと核の脅威を国際法から徹解説」と題した動画を公開した。京都産業大学法学部教授の岩本誠吾氏が、中国が初めて公海に向けて実施したSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)発射実験の狙いと、国際法上の問題点について語っている。

動画では、7月6日に中国が戦略原子力潜水艦から南太平洋に向けて訓練用模擬弾頭を搭載したSLBMを発射した経緯を紹介。これまで内陸の砂漠地帯で実験を行ってきた中国が、初めて公海に向けて発射した理由について、岩本氏は「原子力潜水艦からの戦略核攻撃能力があることを、インド太平洋地域で公に示した」と説明した。

さらに、核戦力の三本柱のなかでもSLBMは海中に潜んで近づくため生存率が高く、相手から先制攻撃を受けても生き残り、反撃する「第2撃能力」として重要だと指摘。今回の実験で射程約1万キロメートルの「巨浪3型(JL-3)」が使用されたのであれば、「海南島から撃ったらアメリカ本土まで飛ぶ」と述べ、「いつでもアメリカを攻撃できるような体制を確立した」と警鐘を鳴らした。

また、岩本氏は今回の行動に対する3つの疑問を提示した。1つ目は、公海での軍事演習に不可欠な国際機関への事前通告を適切に行ったかという疑念。2つ目は、弾道ミサイル拡散を防ぐ「ハーグ行動規範」に主要国として唯一参加しておらず、十分な事前通告が行われていない実態。そして3つ目は、着弾した南太平洋の海域が「南太平洋非核地帯条約(ラロトンガ条約)」で守られており、中国自身も核実験を行わないと約束していたにもかかわらず「模擬弾を打ち込んできた」事実である。

これらの国際的ルールを無視した中国に対し、岩本氏は「黙っていたら、そのまま黙認したことになる」と語る。日本も国際社会と連携してルール遵守を強く求めるとともに、オープンな場で中国にクレームや反論を伝え続ける姿勢が必要不可欠であると結論付けた。

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