「オカルト」や「怖い話」はいつの時代も人々の心を魅了する。1970年代の第一次オカルトブームに始まり、80年代から90年代にかけての都市伝説ブーム、00年代に人気を博した洒落怖など、「恐怖」は時代の流れに応じて形を変えながら、私たちの身近に存在し続けてきた。そして令和の時代に注目されているのが、語り手が実際に体験した、もしくは体験者から聞いた話を語る「実話怪談」である。『憑きそい』(山森めぐみ/扶桑社)は、