昭和47(1972)年7月、橋本龍太郎は佐藤栄作首相の思い入れる福田赳夫を支持せず、田中角栄支持とした「角福総裁選」で、田中が勝利した。その田中内閣は、発足にあたり「日本列島改造」を掲げた一方、列島改造の陰に隠れてしまった感があるが、じつは「福祉元年」も重要政策とし、それまでの健康保険法と年金法の改正にチャレンジしていたのだった。時に、橋本は自民党の社会部会長で、すこぶる「福祉元年」にやる気を見せて