夏といえば「怖い話」だ。暑い夜にゾッとするような物語を聞いて、涼むのである。さて、その「怖さ」を追求するのがホラー作家たちだ。彼らは一体どのようにして「怖い」という感情を掻き立てる物語を作っているのだろうか。『恐怖の構造』(幻冬舎刊)は『DINER ダイナー』や『或るろくでなしの死』などで知られる小説家の平山夢明氏が、ホラーの名作を例にしつつ、人間が恐怖や不安を抱き、それに引き込まれていく心理メカニズム