Music Vault が歴史的ライブ映像1万3000本をYouTubeで無償公開

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米国の音楽アーカイブ企業 Wolfgang's Vault が、YouTube の公式チャンネル「Music Vault」に大量のライブ・コンサート映像を追加しました。1965年から1999年まで、1万3000本におよぶ映像を無料で公開しています。
 
 
Music Vault の映像は、もともとは音楽プロモーター、故ビル・グラハムが所蔵していたもの。ビル・グラハムと言えば、サンフランシスコで映画館を改修したライブハウス「フィルモア」 を立ち上げ、ロック勃興期に数多くのバンドを世に送り出した人物。

当時のミュージシャンたちに破天荒な行動をやめさせ、ビジネス意識をもたせたり、ファンを大切にするよう説くなど、ある意味父親的な役割も担っていたとも言われます。さらに、1969年のウッドストックフェスティバルから1985年のライブ・エイドといった巨大ミュージック・フェスティバルの運営を裏で支えたことでも知られます。

Wolfgang's Vault は、そのビル・グラハムから買い取った膨大な映像アーカイブを自らの有料サイト「Concert Vault」に提供してきました。今年の春、YouTube に Music Vault として公式チャンネルを開設してアーカイブの一部を公開したところ、YouTube がもつ宣伝効果の高さがわかったため、今回の大量公開に至ったとのこと。

Music Vault には現在1万3000本を超える映像が公開済みですが、その多くは1曲単位で数分〜10分前後。しかし、なかには Aerosmith のウッドストック'94の映像をはじめ、2時間を超えるコンサートを最初から最後まですべて収録したものもあります。

映像は比較的状態の良いものから、モノクロでかなり画質の劣るブートレッグ級まで様々ですが、音質に関してはすべてリマスタリングしてあり、悪くても FM ラジオ程度には修復されています。

 


Lynyrd Skynyrd - Free Bird (1977)

現在公開している楽曲の合計演奏時間は約2000時間にのぼります。これなら仕事中の BGV として毎日8時間聴き続けたとしても、8か月ほどは困りません。また Music Vault では今後、コンサートをすべて収録した映像の追加や、週ごとのお勧めプレイリストなども提供していくとのこと。ただ聴き流しているだけでも、なにか古くて新しい音楽との出会いがあるかもしれません。