山梨学院大附vs霞ヶ浦 先制して追加点、中押し、ダメ押しと効率よく
6回にタイムリーを放った加々美啓太(山梨学院大附)
山梨学院大附は浦和学院に競り勝ち(参照：試合レポート)、霞ヶ浦は横浜に大勝(参照：試合レポート)。ともに、全国的なネームバリューとしては1ランク上の相手に勝ってのベスト8進出である。それだけに、勢いのある好試合が期待された。
先発の両左腕投手がまずは無難な立ち上がりだった試合は、3回に山梨学院大附が先制して動き出した。 2回に三連打などを浴び一死満塁のピンチ。それを何とかを逃れた山梨学院大附。3回は9番の瀧澤 虎太朗君(1年)からだったが、ライト線へ二塁打を放つと、バントなどで二死三塁としてから、3番菊池 海斗君(3年)のレフト前タイムリーで先制した。さらに、4回にも5番山口 大輔君(3年)がレフト線へ二塁打を放ち、さらに外野飛球で三塁に進むと、加々美 啓太君(2年)のスクイズで追加点を挙げた。
前日に、横浜にコールド勝ちして勢いに乗っている霞ヶ浦である。山梨学院大附の吉田洸二監督は、「どんなチームでも、高校野球では横浜に勝てば勢いに乗ってくるはずです。そんな相手の勢いを止めるためにも、先取点が欲しいと思っていたのですが、3回に点が入って、4回にもスクイズですぐに追加できたのが大きかったです」と、4回のスクイズの価値を評価していた。
6回にも山梨学院大附は、レフトへのヒットで出た4番稲葉 皇介君(3年)を三塁まで進めると、ここでも加々美君がしぶとくレフト前タイムリーを放って、中押しともいえる3点目を加えた。そして、8回には内野安打や失策もあっていくらか気持ちも切れかかっていた霞ヶ浦の安�碌ゴ�君(2年)から、四死球で押し出しを得て、とどめは稲葉君の満塁一掃の長打で6点。ビッグイニングを作り、試合を決めた。
霞ヶ浦・安�碌ゴ�投手
先発した山口君に関しては、「尻上がりによくなっていくタイプなので、序盤の苦しいところを抑えてくれればと思っていたのですが、2回のピンチを切り抜けて攻撃もいい形で点が入って効率よく試合を進めていくことが出来ました」と、吉田監督はスムーズな展開だった試合を振り返った。
これに対し、前日のコールド勝ちから一転してこの日はコールド負けとなってしまった霞ヶ浦。高橋祐二監督は、「これが野球の怖いところなのでしょう。昨日の結果で満足したというワケではないと思いますけれども…。朝のミーティングでも、満足していてはいけないということは伝えたのですが、今日は最初から気持ちが戦っていませんでした」と、反省の弁だった。
夏へ向けて、エースの上野 拓真君(3年)に次ぐ投手を育成していくということも、この大会のテーマでもあったのだが、期待の安�盞�に関しては、「8回、あそこまで崩れてしまうとは思いませんでした」と、終始リズムに乗り切れなかったことを悔いていた。
（文＝手束 仁）
