横浜vs大島 大島、守りのミスで自滅、悪循環、断ち切るのはいつか?

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大島、守りのミスで自滅、悪循環、断ち切るのはいつか? 

試合開始の挨拶

 大島は攻守に精彩を欠き1―8で敗れた。 初回に1番・浅間 大基(3年)に先頭打者本塁打を打たれ、守りのミスも絡んで2点を先制された。2回に2本の内野安打などで好機を作り、7番・川畑 雅樹(3年)の犠牲フライで1点を返すが、3回二死から3連打を浴びて3点を失った。2番手・前山 優樹(2年)、3番手・渡 秀太(1年)と投手陣は粘り強く投げたが、3回以降は打線が沈黙。守備も踏ん張れず、不用意な失点が重なった。

 「まずは守備でミスをしないようにしたい。ミスがあっても引きずらずに切り替えて、自分たちらしい野球をしたい」 前日の練習で、大島の重原 龍成主将(3年)はそう意気込みを語ったが、試合は真逆になった。高校球界屈指の名門・横浜に力で圧倒されたわけでなく、ミスから自滅し、「自分たちらしい野球」ができなかった。

 初回は遊撃手・重原、3回は中堅手・小野 浩之介(3年)が追いついたはずの打球を落球(記録は二塁打)、四回は二塁手・武田翔梧(3年)、6回は左翼手・泊 慶悟(3年)、チームの中心選手のミスが失点に絡んだ。持ち味の打線も「防戦一方の展開で、攻撃に気持ちが切り替えられなかった」(渡邉恵尋監督)。内野安打のみの4安打、14奪三振と精彩を欠いた。 

 マウンドに、本来のエース福永 翔(3年)がいないことが響いている。エースが故障で投げられないからこそ、残りの投手陣と守備が踏ん張ってリズムを作りたいのだが「そのことを意識し過ぎたのか、野手の動きが硬かった」(渡邉監督)。 甲子園の龍谷大平安、九州大会の熊本工、沖縄遠征での美里工、そして横浜と、格上の強豪校に敗れ、「自信」を見失いかけている。「ミスなくやれれば、このクラスの相手とも十分やれるポテンシャルはある」(渡邉監督)だけに、どこかでこの「悪循環」を断ち切りたいところだ。

 2番手で登板した前山は、投げ方を横手に変えたことで、連打を浴びにくくなった。3番手の渡は九州大会の熊工戦に続き、無失点で切り抜けている。敗戦の中にも収穫はあった。「このまま沈んでいくのか、それとも奮起してまた立ち直るのか」(渡邉監督)。今の試練をどう乗り越えるかが、夏のカギを握る。

(文=政 純一郎)