キムタクにとって時代劇の出演は映画『武士の一分』('06年、山田洋次監督)以来、実に8年ぶり。ドラマ『宮本武蔵』への意気込みを記者に聞かれたキムタクは「彼(宮本武蔵)の代名詞でもある二刀流なので新鮮な経験でしたけど…」と剣豪・武蔵を友達のような「彼」呼ばわり。これもキムタク一流のご愛嬌か。

 当然、期待されたのが視聴率。ところがイザ蓋をあけてみると--。
 「15日が14.2%、16日が12.6%だった。普通のレギュラー番組なら十分、合格の視聴率ですが、開局55周年のスペシャル特番です。しかも、『宮本武蔵』に投入された制作費は2夜連続放送で約10億円。映画が撮れる制作費をかけたんです。しかも、皮肉なことに16日は同じジャニーズ事務所に所属する『TOKIO』の冠番組『ザ!鉄腕!DASH!!スペシャル』が視聴率21.9%を取っていた。木村ではもう視聴率を取れないということを証明してしまった」(事情通)

 キムタクワールド全開とは裏腹に、視聴率を聞きその場にヘナヘナと座り込んでしまったのがテレビ朝日の幹部連だ。
 というのも、2013年の年度視聴率('13年4月1日〜'14年3月30日)争いでテレ朝と日本テレビがゴールデン&プライム帯の1位を巡り、大接戦を展開していたからだ。
 「50週目の時点でプライム帯はトップがテレ朝の12.2%、2位が日テレで12%。ゴールデン帯は1位日テレの12.1%、2位はテレ朝の11.8%。ゴールデンのテレ朝と日テレの差は僅か0.3ポイント。もし、キムタク主演の『宮本武蔵』が『家政婦のミタ』(日テレ、'11年放送)のように視聴率40%超えを達成していたら、テレ朝はゴールデンでも一気にトップになっていたんです。せめて視聴率20%を超えてくれれば…」(テレ朝社員)

 ドラマ『宮本武蔵』の期待外れの一報は瞬く間にテレビ界を駆け巡ったという。内定していたキムタク主演ドラマ企画を「白紙にした」と囁かれているのがフジテレビだ。
 「昨年末に報じられた木村の代表作『HERO』の続編をやるとみられていたが、今回の『宮本武蔵』の結果を聞き編成が時期尚早との判断を下した。いまやフジは凋落の一途。数字のないキムタクはもはや無用の長物ということです」(芸能プロ関係者)

 かつてキムタクに対し、熱烈オファーを送っていたNHKもすっかり興味を失っているという。
 「昔のNHKならいざ知らず、最近のNHKも高視聴率が求められている。『宮本武蔵』を見たが、現代ドラマの役作りと全く変わらない木村の時代劇はかなり厳しい。NHK大河ドラマでは通用しないということ。ギャラ以前の問題です」(NHK関係者)