先週はお風呂タイムにできる“勃起力を高めるツボ”を紹介したが、さらにお手軽な方法もある。
 「精力アップのツボは全身に存在します。中でも最も身近にあるのが“手”。最近は手揉みのマッサージも流行っているように、手を揉まれると人間の自律神経は安定して、副交感神経が優位になります」
 と解説するのは、鍼灸マッサージ師の玄斎氏。前回も説明したが、勃起に必要な神経は副交感神経。リラックスしている状態のほうが、ペニスは元気になるのだ。そして手は、いつでも自分で揉めるとあって、お風呂に加え仕事中やテレビを見ている最中でも勃起力を高める指圧が可能。
 早速、伝授してもらおう。

 まず、最初に刺激してもらいたいのが『合谷』。
 「親指と人差し指の骨が合流するところを見つけてください。そこから、やや人差し指側にあるのが『合谷』。ここを逆の手で押したり、小さく円を描くように押し回したりしてください」

 『合谷』は、一般的には頭痛や肩凝り、いびきの改善などに効果があるといわれるツボ。しかも、効果はそれだけではない。
 「男性器の血流を良くする働きもあるのです。勃起とは、ペニスの海綿体に流れる血流によって起こる現象ですから、血流が良くなるほど膨張しやすいのです。逆に中折れしやすい方は、血流の流れが悪いのです」

 ちなみに揉み方は、「5秒押して、5秒離す」を繰り返すこと。これが効果を高めるそうだ。
 「だいたい1日2〜3分は押してください。1週間ほどで勃起時の硬さも違ってくると思いますよ」

 続いて、人差し指の爪の端に位置する『商陽』を覚えよう。
 「詳しく言うと、人差し指の親指側、爪の角より3ミリのところにあります。ここは古来より“精力がみなぎるツボ”として知られており、ここも血行が良くなるのですが、男性の場合はペニスの亀頭部が特に硬くなるのです。ちなみに女性の場合、『商陽』を刺激されると非常に感度が高まり、濡れやすくなるともいわれています」

 『合谷』で血流を良くして、さらに『商陽』でペニスの先端までパンパンに膨張させる。この二段構えが玄斎流の勃起術なのだ。
 「指圧の仕方は、逆の手の親指と人差し指で“強くつまむ”ように揉んでください。これも5秒押して、5秒離すぐらいの感覚がベスト。毎日1〜2分行うと、次第に効果が表れてくるはず」

 ちなみに、『合谷』『商陽』ともに、ボールペンなどでグイグイ押しても効果あり。デスクワークの方は勤務中にさりげなく行えるというわけだ。

 そして、もうひとつ。『商陽』と揉み方などは同じで、今度は左手の薬指の爪から3ミリ下にある『三焦経』も覚えておくと便利だ。
 「注意すべきは、『商陽』は左右の手に存在しますが、『三焦経』は左手にしかないこと。ちなみに、ここは直接、精力アップとは関係ないのですが、内臓の働きを整えてくれる効果があります。食欲不振などに悩んでいる方は、ここを押してみるといいでしょう」

 このように、日常で無理なく行えるツボ刺激なら、面倒臭がり屋のアナタも長続きするはず!

玄斎
1947年生まれ。気功師・鍼灸マッサージ師。ツボ刺激による性感開発、EDなどの治療も行う。近著には『東洋医学で目覚めるオーガニックセックス』(宝島社新書)がある。