豆の″質″に、とことんこだわりたい。「サードウェーブ・コーヒー」が珈琲好きにオススメな理由

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最近、ちまたでよく耳にするのが「サードウェーブ・コーヒー」という言葉。雑誌などで特集されているのをよく目にしますが、そのうち本格的なブームが来そうな予感です。

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サードウェーブ・コーヒーとは、アメリカコーヒー文化「第3次」ムーブメントのことです。アメリカコーヒー文化の影響を受けやすい日本にとっては、この「第3の波」が日本にまで押し寄せてくるのは時間の問題ではないでしょうか。

とは言え、なんとなく使っている「サードウェーブ・コーヒー」という言葉。実際どういうものかあまり良く知らない人も多いのでは? そこで今回は、これまでのアメリカコーヒー文化の流れを押さえつつ「サードウェーブ・コーヒー」に注目。とりあえずは、この記事を読んでその基本を押さえておきましょう。

■ファーストウェーブとは?

サードウェーブ・コーヒーと言うだけあって、過去には第1の波、第2の波というものがありました。まず、第1の波といわれるファーストウェーブとは、時代で言うと第二次世界大戦後〜1970年代ごろまでのアメリカコーヒー文化のこと。

この頃に真空パックが開発され、焙煎コーヒーの遠距離流通が可能になったこともマーケットを大きくした要因の一つです。大量生産で大量消費の時代。品質は後回しのいわゆる「アメリカコーヒー」が全盛の時代をさしているようです。

■セカンドウェーブとは?

そんな「美味しくないコーヒー」に嫌気がさし、1980年代頃から「質の良いコーヒー」を広めようと、それまでのコーヒーとは違う高品質の豆やエスプレッソマシーンなどを使い始めたのが、アメリカのシアトルから誕生した「スターバックス」。エスプレッソを主流としながら様々なアレンジコーヒーが楽しめ、紙コップでテイクアウトできるアメリカ流のコーヒー文化を世界中に広めました。

日本でも1996年に銀座1号店が出店。ソファが置かれた暖かみのある内装デザインや、当時としては珍しい「全席禁煙」など、その後の日本のコーヒー文化に多大な影響を及ぼしたのは言うまでもありません。

その後、スターバックスは全世界でチェーン展開を成功させていきます。そして2000年以降、そのマニュアル化された大手コーヒーチェーンの「アンチ」として登場してきたのが、アメリカのポートランドなどを中心に人気となっていた「サードウェーブ・コーヒー」ということになります。

■サードウェーブとは?

ハンドドリップで一杯ずつを丁寧に淹れていくスタイルで、地域密着型の店作りが特徴的。よりコーヒーの味を楽しみたいと思う人たちの憩いの場としても人気を集めていきました。その他にも、スターバックスなどの大手コーヒーチェーンと比べていくつかの違いがあります。

その1:スペシャリティコーヒー

これまでは国別やエリア別で豆の種類を決めていたのに対して、豆の品質にこだわる「サードウェーブ」では単一種の苗木から収穫した豆だけを使用する「シングルオリジン」と呼ばれるスタイルにこだわっています。

ブレンドせずに単一種の豆を使用するということは、品種本来の個性を味わうことができ、自分好みの味を見つけたくなる楽しさがあります。まるでワインのように、一本の木からとれた豆の味を楽しめるのは「シングルオリジン」ならでは。

その2:浅煎り

サードウェーブ・コーヒーの味は、浅煎りで抽出された「強い酸味」が特徴です。エスプレッソ系が主流であった「セカンドウェーブ」のときには「深煎り」が好まれていましたが、サードウェーブではその逆の「浅煎り」が主流。豆本来の味に大きく左右される「浅煎り」で個性的な味が楽しむことができます。

その3:ダイレクトトレード

大手コーヒーチェーンと最も違う点が、コーヒーを提供するお店が生産者とダイレクトトレード(直接取引)を行っているところ。

これまで生産者から消費者まで「一杯のコーヒー」が届くまで様々な中間業者が入っています。それぞれの業者が利益を出すためには、原材料費に利益を上乗せするため、当然のように下請けを「買いたたく」状況が生まれてきます。結果、一番打撃をうけてしまうのが途上国などでコーヒー豆を栽培する生産業者と言われています。

そういった大手のビジネスモデルを使わないのが「サードウェーブ・コーヒー」の特徴。生産者の生活をしっかりと守りつつ、コミュケーションをとりながら高品質の豆を提供してもらう関係性が「サードウェーブ」の本質的な考えになっています。2000年以降、急激に「フェアトレード」という言葉が消費者に理解され始めたことも「サードウェーブコーヒー」が生まれてきた要因の一つかもしれません。

■サードウェーブを体感してみよう

ここまで「サードウェーブ・コーヒー」がどういったものかを説明してきましたが、頭で知るよりかは実際に体験してみるのが一番。日本でも数年前から「サードウェーブ・コーヒー」を味わえるお店が増えています。雑誌などでよく取り上げられている代表的なお店といえば、参宮橋「Paddlers Coffee」、代官山「THE COFFEESHOP」、中目黒「PARKING COFFE」、表参道「OMOTESANDO KOFFEE」、奥沢「ONIBUS」など。

また、もともとは「アンチ・大手チェーン」から始まったこのムーブメントですが、外食業界もその動向には注目。シズラーやシェーキーズなどを展開する「アールアンドケーフードサービス」は溜池山王にサードウェーブ・スタイルを取り入れた「スタンダードコーヒー」を、ユーシーシーフードサービスシステムズは丸の内に「東京ロビー」をオープンさせています。

いかがでしたか? 日本には「サードウェーブ」呼ばれるずいぶん前から「喫茶店」でマスターの淹れたコーヒーをゆっくりと味わう文化がありました。職人気質の日本人と「サードウェーブ・コーヒー」の相性はシアトル系コーヒーよりも良さそうな気がします。

もともとが地域密着やマイノリティなどの付加価値によって人気となった「サードウェーブ・コーヒー」。大手が参入をし始めて「マジョリティ」となる頃には、そのムーブメントはすでに「フォースウェーブ・コーヒー」と進化しているかもしれませんよ。

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