中国メディア・中国新聞社は9日、大気汚染状況が深刻な状態だった山東省済南市で8日、市内の大学が運動会を強行したことを伝えるとともに、疑問の声が出たことを報じた。

 記事は、同市内で空気汚染指数が446(300以上で重度汚染)に達し、濃霧が立ち込めた8日、山東師範大学の運動場では学生運動会が開かれたと伝えた。そして、競技に出場した学生には、走り終えた後に咳が止まらなかった者もいたと紹介した。

 また、多くの人から「こんなひどい天気で屋外活動には向かないのに、なんで運動会をやらなければいけないのか」と不満の声があがったと伝えた。

 中国中央人民ラジオ局のニュース番組でも10日、同大学の運動会について取り上げた。そして、「健康は最も重要な権利であるにもかかわらず、大学は運動会を開催した。学生に敢闘精神を持ってもらおうとしたのだろうが、それが学生の基本的権利を損なうということを忘れていたようだ」と学校を批判した。

 地元メディア・斉魯網は8日、同市内の呼吸器科医が「患者が2割増えた」と語るなど、多くの病院で呼吸器系や血管系疾患の患者が増加したと伝えるとともに、「外出は極力控えること」、「木綿マスクは効果が少ない。N95マスクがベスト」などといった専門家のアドバイスを伝えていた。(編集担当:今関忠馬)