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日本政策投資銀行は3日、「アジア8地域・訪日外国人旅行者の意向調査(2013年版)」の結果を発表した。

同調査は、アジア8地域(韓国、中国、台湾香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア)の旅行嗜好や訪日経験の有無によるニーズの変化を把握することを目的としたもの。調査期間は2013年10月8日〜25日、調査方法はインターネット、有効回答数は20歳〜59歳の海外旅行経験がある男女4,000人(8地域の住民各500人)。

海外旅行ならどこへ行きたいかと尋ねたところ、日本を希望する人は52%(前回47%)と最も多く、台湾香港、タイ、マレーシア、インドネシアでは一番人気だった。2位はオーストラリアの42%(同43%)、3位は韓国の41%(同38%)。総じて、日本旅行の人気は2012年の前回調査を上回ったものの、訪日外国人旅行者数で最大のシェアを有する韓国では20%にとどまり、前回調査を9ポイント下回った。

訪日経験が2回以上の人に日本旅行において高いと感じたものを聞くと、「日本現地の交通費」が49%でトップ。以下、「飲食費」が45%、「宿泊費」が41%と続いた。交通費を高いと感じている割合は、日本国内を自由に周遊する個人旅行の傾向が強い韓国や香港のリピーターで多かった。

買物をした場所は、「ショッピングモール」(訪日経験1回53%、2回以上58%)が最多。次いで、「観光地の土産物屋」(54%、55%)、「百貨店」(43%、53%)、「空港」(42%、50%)となった。

日本で外貨両替やクレジットカード、キャッシュカードを利用できる場所が、もし今より多かったら、「もっと多くのお金を使ったと思う」「おそらくもっと多くのお金を使ったと思う」と答えた割合の合計は、訪日経験1回の人では64%、2回以上の人では67%を占めた。

日本の免税制度が、もし今より分かりやすく使い勝手が良かったら、「もっと多くの買い物をしたと思う」「おそらくもっと多くの買い物をしたと思う」と答えた割合を合わせると、訪日経験1回の人では74%、2回以上の人では77%に上った。

同行は「日本国内において、外貨両替やカード決済環境整備、免税制度の利便性向上などが実現できれば、訪日客による国内消費が喚起され、地域経済や雇用に好影響をもたらす可能性が考えられる」と分析している。

日本旅行の満足度を5段階で評価してもらったところ、「自然・風景」「日本料理」のほか、「訪日滞在中の快適さ(おもてなし)」に対する満足度が高かった。

日本旅行をする際の不安材料については、言葉と費用(滞在費・渡航費)に加え、地震や放射能が多かった。訪日経験が増すごとに、言葉と費用に対する不安は減る傾向にあるものの、地震や放射能に対する不安は必ずしも減少していなかった。

(御木本千春)