ブラジルの「すき家」で何かが違うGYU-DON(牛丼)を堪能
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「すき家」といえば日本を代表する牛丼チェーンですが、その勢力は地球の裏側ブラジルにまで及んでいました。牛肉消費量世界3位の国の牛丼は日本のそれとは「別物」でした。
こんにちは!世界新聞特命記者の清谷啓仁です。世界一周中のわたくし、現在ブラジルの大都市サンパウロにいます。約100万人の日系人が暮らすサンパウロになんと、あの「すき家」があるということで、さっそく行ってきました。
サンパウロは赤ピンの辺り
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サンパウロの人口は1100万人以上
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Wikipediaによると、サンパウロは2012年にアメリカのシンクタンクが公表したビジネス・人材・文化・政治などを対象とした総合的な世界都市ランキングにおいて、世界33位の都市と評価されています。ちなみに、東京は4位、大阪は47位です。
ブラジルの食文化といえば何と言っても肉!年間牛肉消費量は世界第3位。
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BBQセットは一家に一台……。そんな無類の肉好きの胃袋を満たすべく、2010年、「すき家」一号店がサンパウロに開店しました。現在は市街地を中心に9店舗展開しているようです。
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オフィスビルが立ち並ぶパウリスタ通り付近を抜けると……
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あれは……!?
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もしかして……
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この店構え、「すき家」に間違いありません!
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牛丼はブラジルでも「GYU-DON」と呼ばれているようです。
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店頭ではメニューやポスターが出迎え、精力的に営業していることが伺えます。期待が膨らみます!
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日本では考えられないですが、カフェとしての利用も促していました。
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店内の様子。広々としていますが、日本のようにカウンター席はありません。
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店内に販促用のポスターがあるのは日本と同じ。
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調理場も日本と変わりませんね。
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レジに到着。
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牛丼の並が7.9レアル(約348円)と、庶民も手が届く良心的な価格です。
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さっそくメニューを見てみましょう。
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牛丼は全部で9種類。ノーマルの牛丼は、ミニが8.9レアル(約392円)、並が10.9レアル(約480円)、大盛りが12.9レアル(約568円)、特盛りが14.9レアル(約656円)と、日本と比べると若干割高です。他には「ねぎたま」、「キムチ」、「チーズ」といった日本でも見かけるラインナップから、「トマト&チーズ」、「チーズクリーム」、「天ぷら」といった変わり種もあります。
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カレー、スペシャル丼、定食と、メニューの豊富さは「すき家」ならでは。
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味噌汁、卵、サラダなどのトッピングも充実です。1つ2〜6レアル(約88〜264円)。
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メニューの裏には「牛丼とは?」という説明書きが。「つゆだくで!」とお願いしてもさすがに通じませんでした……。
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天ぷら牛丼(10.9レアル/約480円)、チーズ入り唐揚げ丼(12.9レアル/約576円)、トッピングで福神漬、しめじ、チーズクリーム(各3レアル/約132円)を注文。
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どーん(丼)!
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まずは天ぷら牛丼。予想以上に天ぷらが載っていて驚き。
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天ぷらの下に牛肉が埋もれているという構図
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ひとまず牛肉+ご飯でかきこむと思わず、「うおっ」と唸ってしまいました。何なんですか、この肉肉しさは……。牛肉は日本のようなタレの甘みはなく、ガツンと肉の味を感じます。というか、ほぼそれだけです。肉は噛みごたえがあり、噛めば噛むほど口の中が肉一色に染まります。
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お米はふっくらとしていて日本米に限りなく近く、それは救い。
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天ぷらに取りかかります。天ぷらというより、玉ねぎのかき揚げですね。
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牛肉+かき揚げはWパンチで口の中に油が押し寄せてきます。これは……正直キツイ。
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気を取り直して、チーズ入り唐揚げ丼。トマトソースが全体を覆っていて、躊躇してしまいます。
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唐揚げ丼なので牛肉は入っていません。
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和風唐揚げにトマトソースとチーズを絡めていただきます。
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これは……早い話がドリアです。しかし、ドリアほど濃くはなく、意外にあっさりとしていてイケる!天ぷら牛丼に冒された胃をやさしく癒してくれるかのようです。
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トッピングも見てみましょう。まずはご存知、福神漬。写真では分かりにくいかと思いますが、日本で出てくる量の5倍はあります。どうやら箸休めというよりは、一品物として格上げされているようです。
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安定感はありますが、漬かりきっていないので味はイマイチ。
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しめじのピリ辛煮。しめじはブラジルでは高級食材とされていて人気があります。
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唐辛子がスパイシーでこれはかなりウマイ!
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天ぷら牛丼といっしょにいただきます。唐辛子のおかげで、油っぽさが見事に相殺されます。元からしめじが入っていれば、もっと箸が進むのかもしれません。
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最後はチーズクリーム。
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恐る恐る食べてみると、完全にクリームシチューでした。人参とコーンが入っています。
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チーズクリームは、チーズ入り唐揚げ丼と相性抜群です。
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チーズのしつこさはなく、むしろトマトの味を引き立ててくれます。
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天ぷら牛丼にかけると、味という味が口の中で喧嘩を始め、危うく食欲を失いかけました……。
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まだ結構残っていますね……。
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こんなときは醤油の出番!
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ブラジルの通なお客さんは、2〜3滴醤油をかけてから食べるようです。
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最後の一口……
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完食!
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同じ牛丼で、こうも違うものかと思い知らされたブラジルの牛丼でした。ブラジルにはシュハスコ(ブラジル版BBQ)という肉本来の味を楽しもうというコンセプトの料理もありますし、肉好きの国民のためにストレートな味付けにしているのでしょう。海外で日本の外食チェーンに行くと、こういった食文化の違いが垣間見えて面白いですね。
文・取材:清谷啓仁
http://kiyotani.com
監修:世界新聞
http://sekaishinbun.net
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