中国大手検索サイト、百度の掲示板に20日、「中国が北朝鮮化していく」と題したスレッドが経ち上がった。中国政府がマスコミに対する統制を強化していることを憂いてのものだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国大手検索サイト、百度の掲示板に20日、「中国が北朝鮮化していく」と題したスレッドが経ち上がった。中国政府がマスコミに対する統制を強化していることを憂いてのものだ。

 中国政府はこのほど、衛星放送について2014年の娯楽番組に関する規制を強化することを通知。また全国の新聞社やテレビ局などで報道に携わる記者に「中国の特色ある社会主義」や「マルクス主義報道観」などについての研修と試験を受けさせることを決定した。

 百度の掲示板でスレ主がまず書き込んだのは、「2年後に中国のテレビからドラマが消え、放送されるのは1日中、教育番組。中国は素晴らしいという宣伝が続く。5年後には中国人は洗脳されて毛沢東語録を覚え始め、10年後には小説もなくなるだろう。一番良く売れるのは毛沢東語録、二番目がマルクス主義の本だ。さらに2年後。携帯電話が使えなくなり、歌っていいのは『東方紅』と国歌だけ。こんな中国、どう思う?」との内容だった。

 これに対して他のユーザーがコメントしていく。

「その通り。想像できる未来ってこんな感じだよな」「そんな国だったら、生きていない方がいい。早く党中央が消えればいいのに」「中国中央電視台(CCTV)は古臭い。私たちが楽しめるのは湖南衛星テレビだけ」

 習近平国家主席は8月の会議で「思想宣伝こそがマルクス主義の指導的地位を揺るぎなくする」と強調し、共産党のプロパガンダの道具であるメディアへの統制強化を通じて国民の思想を引き締める方針を示した。インターネットを通じて海外の番組、情報に触れることができるようになった中国人にとって、国内マスコミを通じた思想宣伝の強化は時代の逆行に他ならない。しかし、一党体制の中国ではトップがやると宣言すればどんな反対があってもことは進んでいく。

 中国当局はメディアを通じて「日本が右傾化している」と盛んに宣伝し、国民の懸念をあおる形で日本に圧力をかけている。膨張する中国をまとめ上げるには、メディア統制によって国民の思想を導くのが効率のよい方法だ。現代日本から見れば違和感のあるこの動きが、現代中国で実際に進んでいる。(編集担当:古川弥生)(イメージ写真提供:123RF)