犯罪加害や困窮も！ 現地トラブルに対応する大使館の仕事
在デュッセルドルフ日本国総領事館によれば、実際ドイツでは日本の4倍以上の犯罪が発生しており、殺人は約2倍、強盗は約13倍、窃盗は約3倍多く起きているそうだ。特にデュッセルドルフやケルン、ボンなどを含むノルトライン・ヴェストファーレン州は、州別犯罪認知件数がドイツ16州でもっとも高く、大規模都市別犯罪件数を見ても、デュッセルドルフはフランクフルトに次ぐ2位だという。
2012年の対応件数で、もっとも多かったのが窃盗被害（全体の24.5％）だ。次いで所在調査（21.5％）、遺失・収得物（19.7％）、傷病（4.1％）、詐欺被害（2.5％）と続く。中には困窮（2.1％）、精神障害（1.2％）と言うケースもあり、困窮はアジアが全体の約6割、精神障害はアジアが約4割、欧州が3割、北米が2割を占めるそうだ。
全体の地域別ではアジア（37％）、北米（28％）、欧州（24％）という日本人渡航者が多い3地域で全体の約9割となっており、中南米（4.6％）、太平洋州（2.9％）、アフリカ（2.1％）、中東（1.4％）はわずかだ。援護件数の多い大使館の場所は上位から上海（1369件）、バンコク（1257件）、パリ（967件）、ロンドン（787件）、ロサンゼルス（703件）、マニラ（641件）の順だった。
海外で起こるトラブルは日本人が被害者になるケースだけではなく、加害者になる場合（対応件数全体の2％）もある。それらは主に不法滞在、不法入国、密入国幇助などの出入国管理違反、旅券・査証の偽変造や、飲酒時のケンカや家庭内暴力、麻薬などの不法所持（大麻が約半数）だという。
海外だから犯罪に会わないように気を引き締めるのはもちろんのこと、海外だからこのくらい大丈夫だろうと気を緩めて加害者にならないように、日本にいる時より周囲に注意を払いつつ、日本と同じように節度を守った行動をしたい。
（加藤亨延）
