旅先でしか味わうことのできない「かき氷」が集結！
会場に足を踏み入れると、選りすぐりの3店舗が出店してまして……。じゃ、端から食べていこうかな。まず1店目は、「進藤冷菓」（秋田県男鹿市）のかき氷から！
じゃ、かき氷の前に「ババヘラアイス」をいただいちゃいましょうか。中でも私がオーダーした『バラ盛』（400円）なるアイスが出色のデキ。コーンの上にババが熟練の手つきでアイスを盛っていくと、10秒後にはバラの形をした一輪のアイスが！ こりゃ、芸術的メニューだな。イチゴ（ピンク）とバナナ（黄）の二色が折り重なってて、正直食べるのが勿体無い。いや、食べてしまいましたが。
さあ、ここからが本番！ 同社が手掛ける『秋田雪』は、独特なかき氷なのです。刃先を調整して秋田の粉雪のように削り出した氷には、練乳風味の味付けがしてある。そこにフルーツソースや練乳をかけてみせる、全国でもあまり類を見ない極小粉雪氷だそうです。
今回、私は練乳をかける「練乳味」（500円）をオーダーしたのですが、これも食べるのが勿体無いんですよ。きめの細かい氷の上に真っ白な練乳がかけられると、本当に雪のようなんですもの。意を決して口にすると、氷の食感がさっぱり！ そこに練乳のたまらない甘さがマッチ!! 秋田のかき氷は、味も見た目も風流です。
続いては、東京代表「よ兵衛」（東京都浅草）が手掛ける『ふわふわ雪氷』の登場！ これも、個性的でした。抹茶の味付き氷玉を削り出したかき氷に、白玉、小豆をトッピング。仕上げに、みたらし団子に使用する甘辛の醤油だれをかけてあげる。もはや“和スイーツ”なかき氷であります。
では、いただきます！ ……おぉ、いきなりのみたらし団子味。わかっちゃいたけど、何やかんやで面食らう。こちとら、かき氷を食べているのだから。しかもこのかき氷は何層にもなっており、上から「みたらしのたれ」→「白玉」→「あんこ」→「かき氷」→「アイス」の地層状態になってるのです。
「“バニラアイス入り宇治金時”という感じでしょうか」（「よ兵衛」スタッフ）
食べ進めていくと、これらの層が融合。結果、渾然一体となったタイミングが最高に美味でした！ “浅草”を感じさせる和の魅力満載のかき氷は、外国人観光客からも人気を博しているそうですよ。
最後は、駄菓子屋の名店でもある「おがわ」（静岡県静岡市）が手掛けた『静岡（しぞーか）かき氷』を。その前に、同地の文化についてご説明させてください。実は静岡の子どもたち、「おでん」と「かき氷」を一緒に食べる食生活を送っているそうなんです。“片手におでん、片手にかき氷”が、現地での当たり前の風景。ということで、今回はかき氷と同時に「おでん」も販売してくれてます！ じゃ、まずは「静岡おでん」（1本150円、3本400円）をいただきます。……メチャクチャ美味い！ 味がメッチャ染み込んでて、しかも凄く柔らかい。
「静岡おでんには『串に刺さっている』、『スープが黒い』、『だし粉をかける』、『黒はんぺんがある』、『駄菓子屋で売っている』という5ヶ条があります」（「おがわ」スタッフ）
同店は創業から60余年おでんの汁を継ぎ足し続けており、その濃厚なだしがギュッとおでんに染み込んでました。そりゃ、美味いわ。
さて、肝心の「静岡かき氷」も忘れちゃいけません！ 元々、同店は氷の卸売を業としていたそうで、氷のクオリティには自信を持っている模様。そして今春からは、静岡産素材にこだわって作ったシロップも開発。静岡ブランド「紅ほっぺ」を使用した「いちご」（450円）、静岡茶を使った「緑茶」（450円）、「甘夏」（450円）、きな粉でいただく「安倍川」（600円）など、興味を引くかき氷が用意されておりました。じゃ、私は一番人気の「甘夏」をいただきます。……うわっ、天然の柑橘味！
「合成されていないので、この『甘夏』には苦味もありますよね」（「おがわ」スタッフ）
確かに。そして、それが良い。自然な柑橘風味と自然な甘みが、口の中をさっぱりさせてくれました。
他にも、ラインナップは幅広い。「いちご」はまさにいちごでしか表現できない甘みがあるし、「ブルーベリー」（450円）は所々にある果肉がアクセント。「緑茶」は“抹茶”とは全く異なり、その主張し過ぎないテイストが奥ゆかしくて最高です。
これらのかき氷で体をクールにしつつ、行き過ぎたらおでんでホットにしてみせる。組み合わせとして、バランスが絶妙だと思いません？
旅先でしか味わうことができないはずのかき氷、越谷で満喫してきちゃいました！
（寺西ジャジューカ）
