アプリで農業体験ができる時代がやってきた！？
「さんちょく！」内のバーチャル農場では、すべての作物が1週間で擬似育成できるという手軽さ。ユーザーは気になる農家を選択し、1週間かけて各農家の地域特性や育成手法、歴史を教えてもらいながらお手伝いする。
同アプリを運営するゾイシア株式会社の代表取締役・藤原一成さんは「日本国内の農家人口は全国民のたったの3%。普段食べているものがどのように作られているか知らない人が多いのも当たり前ですが農業を勉強するというより、楽しんで農業に親しんでもらい生産現場と消費者との距離を近づけることができたら」と話す。
提携農家を見ていると無農薬にこだわりがあったり、昔ながらの生産方法を取る農家などさまざまだ。私は通常アプリをダウンロードしてもすぐ飽きてしまうのだが、同アプリは農家の理念や農業に対する思い、人柄が画面を通して伝わってくるので、ついお手伝いしたくなる。普段口にしている食材に想像以上の手間と労力がかけられていることを、農業体験しながら感じることができるとは思っていなかった。アプリ利用者からは、「体験者の食に対する意識が変わるのではないか」「食育に良い。夏休みに子どもに世話をさせる事を思いついた」という声があるという。
「同じ作物を育てている農家さんでも、育てかたは驚くほど違っています。コーヒーの香る牧場、満月にあわせて作業をする茶畑、ニボシで育てる苺など、日本にはおもしろい農場がたくさんあります」（藤原さん）
農業体験を通じ育成、収穫した作物は通販機能を利用して実際に購入することが可能。生産者の顔や思いを知り互いが納得して買うことができると好評だという。
「全国を周って、日本はなんて食文化の豊かな国なんだろうと思いました。それぞれの農法があり、各地の産物は郷土料理や歴史と非常に強く結びついています。アプリが食に対してのリテラシー向上の一助になればと思います」（藤原さん）
順次、お手伝いに応じてのランキングや関連クイズ、ランキング上位者に農場商品のプレゼント企画など、さまざまなゲーム要素が追加されるそうなので、楽しみに待ちたい。
（山下敦子）
