本日20時、日本野球機構の加藤良三コミッショナーが記者会見をした。NHK解説者の小早川毅彦が「交流戦が6試合行われている最中になぜ記者会見をするのか」と言っていたが、もはやそんな気配りをする余裕もないのだろう。

記者会見では、事務局次長が「統一球の変更は、下田邦夫事務局長と私(事務局次長)が決めて実行をした。コミッショナーには報告していなかった」と語った。

加藤良三コミッショナーは、
「変更はないと説明していたが、ボールの芯を取り巻くゴムの成分に変化があったことが判明した。これまでと食い違うことになり、ファンにおわびしたい。隠すことではなく、公表すべきだった。選手や球団、ファンのみなさまにおわび申し上げたい」と陳謝
しかしながら、「この一件について報告を受けていなかった」とした。
記者団から加藤氏の進退に質問が及ぶと
「責任はあるが、不祥事ではない。事務局内のガバナンス強化に努める」
と語り、続投の意思を示した。
自筆のサインが印刷された公式球の不正、隠ぺいについて、最高責任者たる加藤氏は「(実質的に)責任は取らない」と言ったのだ。

ようするに、加藤良三氏は、高級官僚がよくやる「天下り」の感覚でコミッショナーになったのである。
下々の現場サイドの動きなど知ったことではない。事務方が秘密裏におかしな画策をしたのは「彼らが勝手にやったこと」であり、「報告をしなかった下々が悪い」。だから「自分は悪くない」。

普通の企業の感覚でいえば、重要事項を報告されないような管理職は、部下の掌握に問題があるとみなされる。信頼関係を築けていないのか、レポートラインがおかしいのか、最大の責任は「知らされなかった上司」にあるとするのが普通だ。

加藤氏は、組織の管理者として、重大な欠陥があることを露呈した。さらに言えば、責任ある役職者として、出処進退について社会の常識と大きくかけ離れた感覚の持ち主であることも世間にさらした。

加藤コミッショナーの顔は上気し、明らかに怒っているように見えた。ただしそれは、プロ野球界の不祥事について遺憾に思っているのではなく、「自分が恥をかかされた」ことへの怒りのように思えた。
「日本のスーパーエリートはこの程度か」と世間は思ったことだろう。

下田氏は昨日の会見で、変更をコミッショナーに相談して決めたのは昨夏だと話していた。今日の会見とは食い違っている。
下田氏は勘違いだったと謝罪し、辞任をほのめかしたようだが、今回の措置に納得していないかもしれない。

こういう人間を上に頂いて、まともな仕事はできない。
お神輿の上でふんぞり返るのは得意だが、ちゃんとした仕事をせず、責任も取らないような「お偉方」は、毒にこそなれ、何の役にも立たない。

絵にかいたような天下りは、減ってきていると言われているが、天下のプロ野球では、まだ行われていたのである。加藤良三氏は世間の失笑を買った。明日からは、加藤氏への評価は一変することだろう。