モーニングスターは、2013年6月3日から「株式新聞Web」をスタートした。(写真は、「株式新聞Web」編集長のモーニングスター報道部 小泉健太氏。サーチナ撮影)

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 モーニングスターは、2013年6月3日から「株式新聞Web」をスタートした。1949年の創刊から60年以上の歴史を持つ「株式新聞」は、証券専門紙のトップシェア新聞として、個人投資家の支持を得てきた。しかし、近年の「新聞購読離れ」の潮流に流され、購読部数が減少する傾向が続いていた。そこで、Webの速報性と利便性を活かした新しい投資情報媒体として企画されたのが「株式新聞Web」。同社報道部で「株式新聞Web」の編集長を務める小泉健太氏は、「日本株投資に専門特化したWeb媒体として、難しいといわれている“電子新聞”の成功モデルを築きたい」という。小泉氏に、「株式新聞Web」の特徴と、今後の展望を聞いた。

――「アベノミクス相場」と呼ばれ、日本株が復調する中で、「株式新聞Web」を立ち上げましたが、反応はいかがですか?

 昨年後半から日本株市場の上昇に勢いがつき、株価が日経平均1万円を回復して以降は、「株式新聞」の購読も回復の傾向にありました。6月3日から「株式新聞Web」の申込み受付を開始したのですが、株価が下落する中でのスタートになったにもかかわらず、開設当初は想定以上の申込みの応募があり、一時的に受付を停止する事態となり、希望される方々にご迷惑をかけてしまいました。その反応には、「このサービスが待たれていたんだ」という思いを強くしました。

 「株式新聞」は60年以上の歴史があり、購読者の多くは、一般経済紙と合わせて読むことによって、投資銘柄選択等の専門的な情報源として活用していただいていました。実際に記事を執筆している記者は、記者歴が20年、30年のベテラン記者が多く、株式市場の幾度にもわたるアップダウンを経験し、その経験と長年培ってきた情報網によって、「明日の市場で活躍する注目株」についての眼力を磨いています。

 投資情報の良し悪しは、値上がり銘柄を“当てる”ことが全てではありませんが、やはり、一般新聞よりも割高な購読料を支払って購読していただいている読者の期待は、株式投資で“勝つ”ことですから、「株式新聞」で「注目株」に取り上げる銘柄については、その時々の時流を捉えた銘柄をピックアップして紹介しています。「投資情報という観点では、他のどんな新聞と比較しても負けることはない」という自負があります。

 ただ、「株式新聞」の購読者は高齢な方々が中心で、若者を中心に新聞購読を必要としない方々が増えるという流れに抗しきれず、近年は購読数の減少傾向が続いていました。そこで、満を持して立ち上げたのが「株式新聞Web」です。新聞として印刷する工程が不要なので、新聞よりも半日近く早く情報を届けることができます。たとえば、6月7日の朝に配達される「株式新聞」の内容が、前日の6月6日17時30分には閲覧することが可能なのです。スマートフォンにも最適化していますから、いつでもどこでも気になる情報をチェックしていただけます。

――有料サービスとしての“電子新聞”は、日本では成功事例がみあたらず、海外でも苦戦が伝えられます。そんな中で、「株式新聞Web」に勝算はあるのですか?

 「投資情報」という特殊な立ち位置にいることが、成功のカギになると考えています。もちろん、「投資情報」については、情報が氾濫し、ネット上でもありとあらゆる情報が無料で流れています。たとえば、ある株式が「値上がりする」と考えて、インターネット検索をすると、それに関連するような情報やニュースがいくつも出てきます。しかし、その同じ銘柄について「値下がりのリスクがある」と感じられる情報も、同様に多く存在するのです。しかも、ネット上の情報は、その真偽が確かめようもないものも少なくありません。

 そのような情報の氾濫の中で、投資家の方々が安心して付き合うことができる情報は、やはり、「新聞」が発信する情報ではないでしょうか。「株式新聞」が未だに根強く支持していただいているのも、60年以上にわたって投資家の方々の期待に応えてきたという実績があるからこそだと思います。「お金を払ってでも手に入れたい」と思っていただけるような、価値ある情報であれば、新聞の購読料と同様に、有料サービスとして成立すると思います。

――「株式新聞Web」の特徴は?

 まずは、翌朝の情報が前日の夜に知ることができるということです。前日の夜のうちに、しっかりとした投資戦略を立てることができるというのは、投資家の方々には大きなメリットになると思います。また、新聞紙面には限りがありますが、Webでは、より詳細な内容も掲載可能など、Webならではのコンテンツ提供を行っています。

 また、「株式新聞Web」の月額利用料金は4200円で、新聞購読料(3800円)よりも高く設定しています。これは、「新聞では載っていない情報」を積極的に提供していこうという意図からです。「プレミアムコンテンツ」としてWeb独自の情報を発信しています。現在は、カリスマ評論家として人気の山本伸氏による「山本伸のプレミアムレポート」や、「株式新聞」の精鋭記者がWeb版のみに執筆する「堂々!勝負株」などがあります。

 山本伸氏は「株式新聞」の人気コラム「株式調査ファイル」で銘柄的中率の高さで定評があるのですが、「株式新聞Web」では、より銘柄に的を絞ってオリジナルコンテンツとして毎週1回の定期更新を行います。また、「堂々!勝負株」は、「株式新聞」の1面中央に置いている看板コーナー「注目株」を、プレミアムコンテンツとしてブラッシュアップしたものです。「テクニカル」「需給」「テーマ」「ベンチャー」「仕手系材料株」など、これまでは「注目株」で取り上げなかった銘柄情報まで踏み込んで伝えていきます。

 さらに、「プレミアムコンテンツ」の内容の拡充を実施します。現在、盛り上がってきているPTS市場における19時から23時59分までの夜間取引を利用される投資家の方々に向けた情報提供、あるいは、新聞ではフォローできなかった昼休み時間の情報、また、スポットでの特ダネ情報の提供、週末特集の企画など、現在、様々な企画を準備しています。

――今後の展望は?

 「株式新聞Web」は、通常の新聞と異なり、時事ニュースや決算速報などには対応しません。企業のニュースリリースや決算短信は、Web上で自由に閲覧できますので、それを重ねて情報提供する必要はないという考えです。それよりも、「日本株投資」に集中した投資情報提供サービスとして、欠かすことができない投資ツールのひとつになりたいと思っています。

 ただ、2014年1月からスタートする「少額投資非課税制度(NISA=ニーサ)」は、株式投資も対象になっているため、NISAの普及に伴って、より多くの方々に株式投資情報のニーズが高まってくることも考えられます。現在の投資情報は、株式投資の経験者を対象にした内容になっていますが、今後は、投資初心者の方も含めた投資情報の提供も必要になるかもしれません。

 「株式新聞Web」の開始によって、30代−50代という若い投資家の方々からのお申込みを受けています。NISAの登場によって、投資家層の拡大も考えられていますが、「株式新聞Web」も時代の要請に応え、皆さまのご要望に耳を傾けながら、よりよい情報提供に努めていきたいと考えています。(編集担当:徳永浩)