傷心の女性たち、この3人にお任せあれ!

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「釣った魚に餌をやらない」という言葉があるけども、私は典型的なこのタイプだ。いや、本当に褒められた話じゃないのだけど……。
テレビを観ていて、いつも思う。「鈴木おさむ&大島美幸(森三中)夫婦」とか「高橋ジョージ&三船美佳夫婦」とか、観ていて純粋に尊敬します。俺は絶対、あんな風になれない。

その一方で、圧倒的に“特別扱い”してくれる取り組みがあるらしいのです。“恋バナ収集ユニット”・桃山商事が実施しているのは、その名も「失恋ホスト」なるサービス。
一つ一つ説明させてください。まず、対象は“失恋したばかりの女子”。この傷心状態の女の子を、同社のスタッフがホストとなって接待。もう、怒涛のようにチヤホヤしてあげます。
「基本的には、ただひたすら恋愛のグチや失恋話を聞くだけです。あとは、お弁当を作って遊びに行ったり、その子の好きな音楽をかけたりと、普通にその日を楽しく過ごす工夫をします。こちらが何か面白い話をするより、思う存分自分の話をしてもらい、気持ちをスッキリさせたり、頭の中を整理してもらったりするのが目的です」(同社・清田代表)
同社には総勢10名以上のスタッフが在籍しており、スケジュールが合えばかなり大勢の男をはべらせることが可能に。そんな“失恋ホスト”たちが女の子のグチを聞いてあげ、それを100パーセント全肯定。「そうだねえ」、「ヒドい彼氏だよねぇ!」と、何もかも受け止めてくれるサービスが、これである。

ところで、このようなサービスを始めたきっかけって何?
「私が進学した先が音大のピアノ科だったんです。そこはクラスの7割が女子という環境でした。また、文学部に進んだ清田も似たような環境だったんです。そんな中でガールズトークに巻き込まれ、女子たちがこぼす彼氏のグチを聞いているうちに『彼氏がチヤホヤしてくれないなら、我々がチヤホヤさせていただきます!』といった感じで思いついたのがこの活動です」(同社広報・佐藤さん)
そんなこんなで、「失恋ホスト」は2001年よりスタート。当初は単なる友達相手の遊びでやっていた試みだったが、次第に口コミで評判に。「私の友達が失恋したんだけど、盛り上げてやってくれない?」といった形で続々と依頼が入るようになり、現在までに約300人をチヤホヤしている。

そして、破格なのは「失恋ホスト」の依頼料だろうか。……タダなのだ。いや、実費は払っていただく。草津温泉、富士急ハイランド、横浜中華街、奥多摩、海ほたる、東京スカイツリー、プラネタリウム、日光など、チヤホヤするために訪れる場所は様々。そこまでの交通費など、実費は必要となる。でも、それだけ。というか、実費も参加者とホスト全員でワリカン払いらしく……。

そこで、一つ疑問が。これは、慈善事業なのか? それとも、ただの趣味でやってるの?
「いえ、代金は“恋のエピソード”です」(清田代表)
同社では『二軍ラジオ』なるポッドキャストを配信しており、“男女のスレ違い”に関するエピソードを披露するのが同番組の主な内容。要するに、「失恋ホスト」は格好のネタ収集場でもあった。
「失恋ホスト活動の中でも『似たような経験をした人がいたよ』と話すことで、安心したり参考になったりという風に役立つこともままあります。あと、この夏に『二軍ラジオ』が書籍化されることが決まったので、その中でも活用させていただきたいと思っています」(清田代表)

では、一体全体どんなエピソードが収集されたのか? 個人的な興味としても、お聞きしたい。
「『自分の“友達コミュニティ”に私をしょっちゅう連れて行くくせに、私の友達には一切会おうとしない彼氏に不満』という話が印象的でした。値踏みされたりするのが怖くなって、彼女の友達に会おうとしない男性って多いと思います」(清田代表)
他にもある。強インパクトだったのは「彼氏に仕事の愚痴を聞いてもらおうとしたら、『その話、200字にまとめてから話してくれない?』と言われた」という逸話。お役所仕事かよ!
「彼女は話しながら整理したいのに……。こういう傾向は、理屈っぽい男性に多いような気がします」(佐藤広報)
おわかりだろうか? 同社は「男子のレベルアップは急務!」と心に決め、この「失恋ホスト」活動に取り組んでいるそうだ。

ところで「失恋ホスト」を利用した女性の感想って、どんな感じなんですかね。やっぱり、みんないい気分で帰っている? みんな、吹っ切れてるんですかね?
「『久しぶりに遊んで楽しかった』という声が多いですね。あとは、僕らの意見を聞くことで『男子の考えていることがよくわかって勉強になった』と言ってくれる方もいます」(清田代表)
なるほど、もう前を向いて歩いてるじゃないですか! 良かった、良かった。

そんな同サービスを体験したい女性は、同社のツイッターアカウント「@momoyama_radio」にリプライを飛ばすか、「二軍ラジオ」の公式サイトからメールを送ってみてください。
「まずは、お話を伺わせていただきます!」(清田代表)

なるほど、わかりました。……いや、一つだけ大事なことを聞き忘れていた。同サービスには、どんなホストがラインナップされているのか?
「中心となっているのは3人です。サブメンバーを合わせると、大体10人以上います」(清田代表)
では、中心メンバー3人のキャラクターについて。
清田代表……文筆業者なので、インタビューしながら女子の話を掘り下げる役
佐藤広報……ノリが良く、自虐的なキャラで笑いを誘うタイプ
森田専務……論理的で、話を整理していくタイプ。料理が上手い
その他、必要に応じてサブメンバーが招集される。

最後に、まとめを。「失恋ホスト」は、以下の3要素で構成されている。
(1)男をはべらかせることができる
(2)心のモヤモヤを吐き出してスッキリ
(3)恋愛のセーフティネット(もしも失恋したら、駆け込む場所)

男から見て、このサービスから学ぶべきところは非常に多いです。
(寺西ジャジューカ)

関連リンク/取材協力
■ 「二軍ラジオ」公式サイト