ロザムンド・パイク

 2012年、「M:I」シリーズの“不可能を可能にする男”イーサン・ハント役で洋画興収No.1を獲得したトム・クルーズが、新境地となる“一匹狼の流れ者”ジャック・リーチャーに挑むハードボイルド・アクション超大作『アウトロー』。MOVIE ENTERでは、トムの相手役としてヒロインの弁護士ヘレン・ロディン役を演じたロザムンド・パイクに注目。法の番人たる弁護士でありながら、「己のルールこそが法」と語るジャックと惹かれ合い、行動を共にするヘレンについて話を聞いた。

――ヘレン・ロディンは女弁護士でありながら、激しいアクションに身を投じる一方で、女性的な弱みも見せますよね。脚本を読み、どういうキャラクターだと受け止めましたか?

ロザムンド・パイク(以下、パイク):わたしとしては、弁護士が持っている、いわゆる完璧なイメージを壊したかったの。たとえば、すべての物事を自分の手の中で転がして、すべて自分は分かっていると自信満々で、洗練されていて、冷たいようなイメージよね(笑)。でも今回、その反対側の側面を見せようと思ったの。道徳的に混乱しているような側面ね。

――確かに、主人公のジャック・リーチャーのおかげで“混乱”するシーンがありますね。

パイク:ええ。彼女は殺人犯の弁護人になるけれど、もともと彼女は誰もが公平な裁判につく権利があると思っているのよね。でも彼女はジャック・リーチャーに言われ、犠牲者の家族に会いに行く。そこで、彼女は心地悪くなって、混乱して、自信が崩れていくのよ。

――そのジャック・リーチャーとの関係で言うと、ヘレンはヒロインですよね。ただ、恋愛関係だけでなく、共闘関係でもある。どういうシチュエーションと理解していましたか?

パイク:ラブストーリーであるけれども、物語の展開が恋愛の邪魔をしているのよ(笑)。相性が良さそうで、惹かれ合うポイントがもちろんあって。恋愛のビートはあるけれども、セックスは登場しない(笑)。ふたりの出会いのシーンで、ヘレンのオフィスで長いシーンがあるけれど、それは別れの場面のような感じもするわ。ふたりの関係はとてもユーモアがあって、感情を出し合うようなシーンもあるけれど、結果として結ばれないってことね。

――なぜ結ばれないのでしょう?

パイク:なぜなら、ふたりはあまりにも多くのことを通って来て、ヘレンにとってジャックは影響を与えてくれる存在だから。くっつかないことで、ヘレンは強くなっているのね。

――さて、ジャック役トム・クルーズとの仕事について、です。長い会話、言い合いになるシーンが印象的でしたが、撮影現場の様子や彼から勉強になったことを教えてください。

パイク:トムは本当に映画を知っている俳優で、30年もの間、主演俳優として君臨している人は、そうそういないわ。しかも、それだけのキャリアを誇りながら、まだ彼は映画製作の中で学びたいと思っていて、1940年代、50年代、70年代の作品を観ながら、あれこれアイデアを言っていたわ。その姿を観て、影響を受けたの。本当に尊敬に値する映画人ね。

――共演者の方に話を聞くと、全力でサポートしてくれるって皆言います。

パイク:ご存じのように相手側がアップの時、もう1人は休憩していることがあるけれど(笑)、トムの場合は違うのよね(笑)。自分に関係ない、わたし単独でアップのシーンでも、そばにいて支えてくれる人よ。また、クリストファー・マッカリー監督も、心地良く演出してくれた。わたしたちのセリフ回しをとにかく早くするためにサポートしてくれて、相手のセリフが終わる前にくい気味に、って(笑)。まるで銃撃戦のようなテンポだったわ!

――ところで、本作のようなアクション超大作系や、そうじゃない文芸作品など数多くの作品に出演を重ねていますが、これまでのキャリアについて何か想うことはありますか?

パイク:10年間、この仕事をしていて、その間にいろいろなことを知って、次の仕事に積み上げていくことができていると自分では思ってはいるけれど、いま、まさしく自由を感じ始めている時期かもしれないわね。わたしは、もともと強い女性を演じたいと思っていて、ただの妻、ただのガールフレンドのキャラクターではなく、知的で人間味に満ちた女性を将来的にも演じたいの。観る人が共感するような女性を演じたいとも思っているのよ。

――本作がハードな部類に入ると思うので、次回作ではコミカルな姿も観てみたいです!

パイク:素晴らしいわ! 最近ではコメディーに挑戦したいと思っていて、この先の10年、コメディーに挑み続けてもいいと思っているほどよ(笑)。観客の皆さんはアクション女優としてのイメージしかないかもしれないけれど、まだ世の中が知らないわたしのコミカルな部分があるはずよ(笑)。それを披露できる日が来ることを楽しみにしていてほしいわね。

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