浙江省桐郷市は22日、「年俸は80万元(約1012万円)以上」、「公費16万元(約202万5000円)でカニを食べたなどとして批判が高まった同市公証所(公証役場)の沈吉龍主任らの職務を停止したと発表した。中国新聞社などが報じた。

 インターネットで、同公証所幹部の「でたらめぶり」が告発されて、注目を集めた。2010年には食品、ギフト、食事代、出張費などで100万元(約1266万円)近い経費が支払われていた。

 経費についての明細は残されていなかったが、主任らは出張の名目で陽澄湖に出かけカニを食べていたことがわかった。飲み食いだけで16万元程度が費やされていたという。陽澄湖は淡水カニの、日本で言うところの「上海蟹(かに)」の名産地として中国国内でも極めて有名だ。

 同所の公証員は3人で、2007年に1人当たり37万8800元だった年収は2010年には平均で69万5200元にまで急増した。うち沈主任の同年の年収は83万2200元(約1040万円)だった。

 一方で、12人いる契約職員の年収は平均で4万1700元(約52万1000円)しかなかった。

 桐郷市公証所は2002年に市司法局に属する独立事業単位になった。就役に応じて職員給与などを自主的に定めることができるが、市は「事業所としての年収が200万元以下の場合、人件費は20%、年収が200万元を超過した場合には、超過分について28%を人件費にできる」と定めていた。

 同公証所は公証員に対する報酬の決め方だけでも、明らかな規則違反だったという。

 桐郷市紀律委員会は18日、市公証所の問題についての調査チームを発足させ、同時に沈吉龍主任を停職処分とした上で、検査を開始することを明らかにした。市政府・司法局の朱莉萍副局長も停職処分として、検査を行うという。

 中華人民共和国公証法では、「公証機関は営利を目的にしてはならない」と定められている。一方で同公証所は、「法外に高額な幹部への給与」、「でたらめな出費」などがあったにもかかわらず、帳簿上では69万1900元(約876万円)の純利益を出したことになっていた。

 そのため同公証所は、公証書発行に絡めて、不正に利益を得ていた可能性があり、「巨額の金を生み出していた公証所が発行する公証書に公正さが保たれているか」という疑問も出ている。(編集担当:如月隼人)