確かに、この作戦をまともにやればイメージダウンは免れないが、実行するには誰もが納得できる候補者をピックアップする必要があるだろう。そんな中、大阪維新の会との接触が噂されているのが、鳩山邦夫元総務相の長男・鳩山太郎氏なのだという。

 元都議会議員のキャリアがある太郎氏は、再度の政界入りを目指し、今は各方面で積極的に活動中だ。鳩山家に近い政治記者は「あくまで推測」とした上で、次のように説明する。
 「邦夫さんは、とにかく太郎氏を国会議員にしたくて仕方ないが、自分の地盤を継がせることには不安がある。当選するかどうかもわからないし、当選しても無所属では小僧扱いが関の山。しかし、バックに今をときめく維新の会が付くとなれば、見通しは俄然明るくなり、太郎氏にも御曹司としての風格が出る。太郎氏自身も、改革勢力としての維新の動きには関心を持っているようです」

 しかも鳩山家には、一時は大問題となった鳩山兄弟の母・安子さんからの潤沢な“子供手当”がある。
 「一説には、維新と太郎氏との間でやりとりがあった場合、発生する額は10億円もくだらないとの噂があります。もし、それが維新の会に流れるとしたら、太郎氏はVIP待遇で迎えられることでしょう。維新の会にとっても、国政に進む上で鳩山家と接点を持つことは大変なメリットになるはずです」(同)

 その可能性について太郎氏の有力後援者に聞いてみると、
 「太郎さんの政界入りには、本人以上に御両親が力を入れて『なんとしてでも』と言っています。それが妙な形で伝わったのかもしれません。話としては面白いですが、可能性としてはどうでしょう」

 やんわりと否定された格好だが、実現したとしても不思議はない話だ。『日本維新の会』は、政党要件を満たしても次期選挙には政党交付金や比例名簿が間に合わない可能性がある。作戦が実行されるならば、“資金要求の前倒し”となるかも知れない。

 中田前横浜市長や東国原英夫前宮崎県知事、さらには、本誌既報の阪神・金本知憲の擁立話まで浮上する『日本維新の会』。「今までにない大胆なやり方で日本を変えてみせる」と豪語する橋下代表は、カネ集めもサプライズだ。

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