MLBでは投手のSO/BBという指標を重要視している。三振と四球の比率だ。これが大きいということは、コントロールが良いか、奪三振が多いか、あるいは両方であるかを意味している。NPBで1000回以上投げた投手でこの記録を調べてみた。60傑。現役投手は昨日まで。

SOBB20120611




以前にも述べたことがあるが、上原浩治はNPB史上最もコントロールの良い投手である。SO/BBだけでなくBB9も1位なのだ。一人だけSO/BBが6点台。20世紀以後のMLBでのトップが、カート・シリングの4.38だから群を抜いている。

上原に続く成瀬の記録もすごい。昨日、成瀬は巨人戦で完投したが、この試合でも成瀬は3奪三振、無四球だった。

上位10傑に、NPB、MLBでの現役投手が6人。ボールの質が向上するとともに、投球技術が上がったことにもよるが、それ以上に変化球の進歩によって、奪三振が多くなったことが大きい。ダルビッシュや杉内、和田毅などはBB9(9回あたりの四球数)は2点を超えているが、SO9(9回あたりの三振数)が多いため、SO/BBの数値が上昇している。

ダルビッシュは今、BB9が5.4と急上昇、SO/BBは1.75まで落ちている。NPBとMLBのストライクゾーンの差、審判のジャッジの差、そして打者の選球眼の差に苦しんでいる。

現役投手に伍して、土橋正幸、杉浦忠、稲尾和久、村山実という大投手の名前が並んでいるが、彼らは三振数はそれほど多くなく、四球も少なかったのだ。ここに、NPBの野球の変質もうかがうことができる。

それにしても、NPBの優秀な投手たちが、次々とMLBに出ていったことが、実感できる表になった。