WORLD ORDERのパフォーマンス、TV放映で人気過熱

――ダンスや表現の個性を際出させる為に、映像や撮影方法をシンプルにしているということもあるのでしょうか？

須藤：お金をかければ良い物が出来るのは当然だと思うのですが、CGや編集技術ではどうしても海外に勝てないじゃないですか。アメリカのPVに使われている予算はゼロが2つくらい違うわけで（笑）。そこで考えたのが「CGを一切使わず、CGを使っている様に見せる」という事だったんです。

そして、日本的な要素を入れないと海外で勝負出来ないと思うのでサブカルチャーの要素もプラスしています。何だかんだ言ってアジアは正攻法では勝負出来ないと思っていて、良い悪いでは無くてメインカルチャーの流れを作っているのは白人層だと思うから。

――まず海外で人気が出た事について、自分で体感したきっかけなどはあったのでしょうか？

須藤：格闘技はあまり国境が無いので、海外からも最初は「Genki Sudo」としてWORLD ORDERを知ってもらいました。自分自身もスタートしてから1年間は「須藤元気の名前でひっぱるしかない」と思っていて、今は逆に僕っていうよりメンバー全員のキャラクターがしっかりたっているから、「7人全員でWORLD ORDER」と認知させる良い時期が来たなと思っています。

　

――YouTubeが人気の起爆剤になったことについてはいかがですか？

須藤：やっとこうやってメジャーでCDやDVDを発売出来る事になったわけですけど、それまではYouTubeが無かったら絶対無理でしたね。YouTubeがあるから去年「WPC2011」でパフォーマンスしたり、海外のライブに呼ばれることになったので。

もうトップダウン型じゃ無理なんですよね。どんなにお金をかけてもネットで支持されないと売れないこともあります。YouTubeでフル映像を公開してしまった方が、逆に気に入った人が「お金を出して良い」と思っていただけたら、DVDやCDを買ってくれるかもしれません。

――そして良いものはどんどん共有され、広がっていくというのもYouTubeの使い方にマッチしていたのでしょうね。

須藤：これからもっと嘘がつけない時代になっていくと思っています。作り上げられた人気やブームはすぐにばれてしまうから、本物しか残らないと。WORLD ORDERも本物の存在に向かって、どんどん成長していきたいし、出来ると思っています。

――7月11日には東京国際フォーラムAでの公演を控えていますが、もう世界観や構想は完成しているのでしょうか？

須藤：舞台の方は、サブリーダーの野口に全部預けて、僕は手を出さない様ににしているんです。やっぱり何でも口を出すと、色々出来なくなってくると思うんですよね。頭の良い人は何でも自分でやってしまうけど、本当に頭の良い人は「頭の良い人を使う」って事に最近気づきまして（笑）。

野口は舞台や演出を工夫したりするのが好きだし、とてもセンスがある。みんなをまとめるのが上手いから、信頼していて、全部任せています。

　　
WORLD ORDER、サブリーダーの野口量

――7人というメンバー構成についてはいかがですか？

須藤：サラリーマンスタイルで、今のようなパフォーマンスをするっていうのは、随分前から構想を練っていて、この動きをするには7人がピッタリなんですよ。最初は5人だったんですが、7人がしっくりきますね。

――確かに、須藤さんやメンバー1人を中心に、シンメトリーに動きが展開されていく様はとても完成されていますね。

須藤：あと、本当にみんな、いいヤツなんですよ（笑）。メンバーを選ぶ基準はもちろん、技術だったりセンスだったりヴィジュアルも必要ですが、結局、人が良くないと続かないなと思ったんですね。WORLD ORDERの動きって普通のダンスに比べて、とても地味。派手な動きも無く、お互いの腕の動きをピッタリと合わせるだけ、だったりしますから。

――いいヤツで真面目でストイックだと。

須藤：みんな、草食系なんで「俺はこれがいい！」って主張し過ぎる人がいないんです（笑）。それぞれ、キャラクターが立っているのに、穏やかなんです。

――MVはクールですが、イベントのMCなどで話す自然体な様子も魅力ですね。

須藤：みんなのたどたどしいMCも、そのままが魅力かなと。僕はそれに突っ込んだり、"三の線"で行こうと思っています。自分で言うのもなんですが、やってることはカッコイイんで、これでカッコイイ事言っちゃだめなんですよ（笑）。この世の中っていうのは人気が出て、みんなが持ち上げて、そこから落とすというのが常ですから。だから自然体に行こうと思います。「モテたいから音楽やってるんです」と。

――モテが原動力？

須藤：この世界は性欲によって出来上がってるんです。女性にモテたいから、みんな頑張って働いてるんです。そうですよねー？（周囲の男性スタッフに尋ねる）だから、この世界は女性がコントロールしてるんですよ（笑）。

――新作が出来上がるのをとても楽しみにしております。どうもありがとうございました。